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【社会】

不妊手術 集団申請か 香川の施設 一括審査の記録

 旧優生保護法(一九四八〜九六年)下での障害者らへの不妊手術問題で、香川県内の障害者関連施設に入所していた九人について六二年の同時期に医師から本人同意のない不妊手術の申請があり、県の優生保護審査会が八人の手術を一括して認めていたことが二十六日、県立文書館の開示資料で分かった。施設に対しては、入所者の不妊手術を積極的に申請するよう求めていた自治体もあり、施設側による集団申請の可能性を裏付ける貴重な資料と言えそうだ。

 香川県は「資料からは当該施設の入所者がまとまって審査されたことが分かる。ただ申請の経緯は不明」と説明。識者からは「介助の効率化などの目的で各地の施設が同様の集団申請を実施していたことも考えられる」として実態の解明を求める声が出ている。

 香川県優生保護審査会名で施設に宛てた文書は「優生手術実施について」との見出しが記されていた。県が審査会の結果を受けて作成、六二年十二月七日に決裁されている。

 医師と入所者の氏名は開示の際に黒塗りとされたが、九人について「医師から優生手術(法四条)実施申請があり、別紙の通り決定」とあり、別紙には九人中八人に関し「適と決定」、一人は「保留」と書かれていた。

 九人のものとみられる健康診断書・遺伝調査書は、いずれも善通寺市の医師が六二年十月に作成。坂出市の産婦人科医による手術申請書には日付がないが、同時期の作成とみられる。全員女性で知的障害があるなどとされていた。施設の名称は公表されていない。

 障害児施設に対しては、北海道が五一年に「申請書を積極的に提出するよう御配意願いたい」と文書で求め、入所児童が旧法の対象か診断する医師は「嘱託医、開業医等誰でもよい」としていたことが開示資料で確認されている。香川県が当時、同様の施策を取っていたかは不明。

 また山形県では三月に実施された弁護士の電話相談に「妹が養護学校(当時)の同級生と一緒に集団で手術を受けた」との情報が寄せられている。

 

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