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【社会】

14年前の岡山女児殺害、逮捕へ 服役の男、関与認める

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 岡山県津山市で二〇〇四年九月、同市立北小三年筒塩侑子(ゆきこ)さん=当時(9つ)=が殺害された事件で、岡山県警が殺人容疑で、別の事件で服役中の男(39)の逮捕状を取ったことが二十九日、捜査関係者への取材で分かった。三十日に逮捕する方針。事件発生から約十四年、捜査は大きく動きだした。男は関与を認める供述をしている。県警は二人の接点や動機を調べ、全容解明を進める。

 事件は〇四年九月三日午後三時三十五分ごろ、津山市総社の自宅一階で、侑子さんが血を流してうつぶせに倒れているのを、帰宅した姉が見つけた。胸や腹など数カ所を刺され、病院に運ばれたが間もなく死亡が確認された。司法解剖で死因は窒息か失血の疑いと判明した。

 侑子さんは制服姿で、一緒に下校した友人と別れた後、午後三時十五分ごろに帰宅したとみられる。

 県警は事件当日、津山署に捜査本部を設置。これまでに捜査員延べ六万人を投入し、不審者の似顔絵を作成するなどして捜査してきた。同じような手口の事件を調べる過程で男が浮上し、取り調べに関与をほのめかした。

 男は一五年五月、兵庫県姫路市の路上で面識のない中学三年の女子生徒の腹などをナイフで刺し重傷を負わせたとして、殺人未遂容疑で兵庫県警が逮捕。一六年に大阪高裁が懲役十年の判決を言い渡しその後確定した。岡山刑務所で服役している。これとは別に、小学生や高校生ら五人への傷害と暴行の罪で一〇年に懲役四年の判決を受けている。

 侑子さんの親族は二十九日、岡山県警を通じ「ただただ驚いております。事件以降、私たち家族は言葉にできないほどの深い悲しみの中におりました。捜査の行方を見守ることしかできません」とのコメントを出した。

 津山市の現場はJR津山駅の北約二・五キロの住宅地。中国自動車道の側壁に面した道沿いにある。

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◆近隣住民「ようやくか」「無念ささらに」

 筒塩侑子さんが殺害された事件は、未解決のまま記憶も薄れてきた中、服役中の男が急浮上した。「ようやくか」「帰ってくるわけでも無い」。侑子さんの自宅近くの住民や、事件当時を知る人からは安堵(あんど)や悔しさの声が上がった。

 「十四年間、何の手掛かりも無かったのに急な知らせだ」。侑子さんが通っていた市立北小の当時の校長玉木陽一さん(70)は驚きを隠せない。事件が起きた毎年九月には両親を訪ね「何か分かればね」と声を掛け合い続けてきた。

 「侑子さんはスポーツ万能で、本当に明るくて元気な子だった」と振り返る玉木さん。容疑者の浮上に「喜びもあるが、無念さがさらに湧いてきて複雑だ」と漏らし「侑子さんに今かける言葉があるとすればどうか安らかに眠ってほしい」。

 

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