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【社会】

加計学園主張と愛媛県文書検証 「面会虚偽」なら整合性欠く

 安倍晋三首相と加計(かけ)孝太郎理事長の面会はうそだったという学校法人「加計学園」の主張は信用できるのか−。愛媛県の新文書には、二〇一五年四月に柳瀬唯夫首相秘書官(当時)が県などに国家戦略特区の活用を提案するまでの流れが矛盾なく記載されている。しかし、学園側の主張通り、首相と加計氏の面会がなかったとすると、一連の流れのつじつまが合わなくなることが本紙の分析で鮮明になった。 (池田悌一、中沢誠)

 新文書には「加計学園からの報告」として、加計氏が一五年二月二十五日、安倍首相と面会した際、「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」と言われたと記されている。だが、学園は今月二十六日、この面会は「実際にはなかった」と文書で主張した。

 新文書には、学園が中心となって学部新設に奔走する様子が記されている。

 一五年二月の文書には、今治市からの報告を通じた学園側の情報が記されている。学園は市側に加藤勝信官房副長官(当時)と面会したと知らせる一方、「学園理事長が安倍総理と面談する動きもある」とも伝えたとされる。加藤氏は記者会見で二月十四日に学園側と面会したと認めており、信ぴょう性は高い。

 三月作成の文書には、「二月二十五日の首相と加計氏の面会を受け」と明記し、首相面会が実現したことを前提に、学園側が柳瀬氏から資料提出を指示されたと記されている。資料を手渡すための柳瀬氏との面会は、「3/24で最終調整中」とも。二月二十五日の面会時に「新しい教育戦略」という資料を首相に渡したという具体的な記述もある。

 柳瀬氏との面会は調整通り実施された。学園側は三月二十四日に首相官邸で柳瀬氏と面会し、県と市と一緒に内閣府地方創生推進室の藤原豊次長(当時)に相談するよう指示を受け、四月二日午前十一時半の日程が決まった。柳瀬氏が一行に「首相案件」と告げたとされる同日午後三時の官邸訪問も設定された。この日程は文部科学省で見つかったメール記録と符合する。

 二月二十五日の首相面会を契機に一連のやりとりは進んでおり、「実際にはなかった」とすれば、三月二十四日の柳瀬氏との協議や四月二日の官邸訪問がなぜ実現したのか、との疑念が膨らむ。なぜ学園が架空の面会を予告したのか、なぜ柳瀬氏が資料提出を指示したのか、なぜ首相に渡した資料名まで具体的に偽る必要があったのか…。説明のつかないことばかりだ。

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