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【社会】

佐川氏が改ざん決定 森友文書 部下の原案基に

佐川宣寿前国税庁長官

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 財務省が森友学園に関する決裁文書を改ざんしていた問題で、当時理財局長だった佐川宣寿(のぶひさ)前国税庁長官が、部下職員が作成した改ざんの原案を基に、最終的な改ざん部分を部下と決めていたことが一日分かった。政府関係者が明らかにした。財務省は六月四日に調査報告を公表。佐川氏を停職に相当する処分とし、退職金を減額する方向で調整している。

 財務省の調査に対し、佐川氏は自ら積極的に改ざんを指示したわけではないと説明。ただ、佐川氏が改ざん部分の決定に関与した上に、複数の職員が佐川氏の指示と認識していたと話している。財務省は調査報告で、佐川氏の事実上の指示があったと認定する方向だ。

 佐川氏に加え、改ざんを主導したとして理財局の総務課長を停職処分とする方向で調整している。このほか改ざんに関わった理財局の職員も減給を含めた懲戒処分を検討。既に国税庁長官を辞め現職の国家公務員ではない佐川氏は「懲戒処分相当」として扱い、退職金の減額を検討している。当時官房長を務めていた岡本薫明(しげあき)主計局長の責任も明確にする。処分内容は、文書改ざんや交渉記録の廃棄に関する調査結果と合わせて公表する。

 文書改ざんの動機に関し、財務省は、佐川氏が理財局長として昨年行った国会答弁と整合性を取るためだったと調査報告に明記する見通しだ。

 ただ、文書の削除部分には安倍昭恵首相夫人に関する記述が含まれていたことから、野党は改ざんの背景に安倍晋三首相への忖度(そんたく)があったと追及している。調査報告でこうした点に言及するのかも焦点となる。

◆財務省の意向意識か 「政治案件」検察、国会中に不起訴

 森友学園への国有地売却問題で、大阪地検特捜部が佐川宣寿前国税庁長官ら三十八人を不起訴としたのは国会開会中だった。検察は政治に関連する案件の場合、政局への影響を懸念し開会中に動くのを嫌う傾向がある。だが決裁文書改ざん問題で財務省は特捜部の判断を踏まえた上での処分を予定しており、閉会後まで引き延ばせなかったとみられる。

 「捜査が終わるのを待つ」。麻生太郎副総理兼財務相は四月、文書改ざんの調査報告の公表時期について、特捜部の結論が出た後との見通しを示した。検察は独立した捜査機関だが、財務省からの「プレッシャー」を意識せざるを得ない状況になった。五月中旬、ある検察幹部は「早く終わらせたい。閉会後に処分すると、次の国会でまた取り上げられる」と語った。

 昨年二月に国有地の大幅な値引きが発覚して以降、次から次へと財務省の不可解な対応が露呈。五月に入ってからも同省が二十三日、佐川氏が「廃棄した」と答弁してきた学園との交渉記録を国会に提出した。

 二十八日には森友、加計学園問題を巡る衆参両院の予算委員会の集中審議が開かれ、安倍晋三首相は国有地売却を巡る自身や昭恵夫人の「関与」について「お金のやりとりがあって頼まれて行政に働き掛けた、という意味での関わりはない」と説明。これまで否定してきた「関与」の範囲を狭くして軌道修正した。

 特捜部の不起訴処分は三十日の党首討論直後のタイミングとなり、国会中とはいえ、政治への影響を最小限にする配慮がうかがえた。

 

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