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【社会】

佐川氏発言を部下忖度 財務省のストーリー

 財務省が四日公表した調査結果は、佐川宣寿理財局長(当時)の発言を部下らが忖度(そんたく)したという、財務省側のストーリーを強調する内容となっている。一方、首相答弁が改ざんなどに直接影響を与えた可能性には触れなかった。

 「このままでは外に出せない」。昨年二月二十七日。財務省の国有財産審理室などから、国有地売却の決裁文書を示された佐川氏は、こう反応したとされる。調査報告書によると、理財局職員らはこの発言を「(文書の)記載を直すことになる」と認識。近畿財務局に書き換え案を示した。

 国有地貸付契約で財務省が作成した「特例承認」の決裁文書を、田村嘉啓国有財産審理室長(当時)と理財局の中村稔総務課長(同)らが問題視した時も同様だった。文書に政治家関係者らの記述があることを気にする田村氏らに、佐川氏は「最低限の記載であるべきだ」と返答。改ざんの引き金になったとされる。

 政治家秘書らとの面会記録が廃棄されていた問題でも、佐川氏が「(保存期間を一年未満とする)文書管理のルールに従って適切に」と指摘したことを、中村氏が「廃棄の指示」と受け止めたとした。

 一連の問題では安倍晋三首相が同月十七日、衆院予算委で「私や妻が関係していたということになれば、総理大臣も国会議員もやめる」と発言。これが改ざんや交渉記録の廃棄につながったのではないか、との疑惑が持たれている。

 報告書では、この首相答弁後に中村氏が首相の妻昭恵氏の名前の入った書類があるかどうかを、田村氏らに確認していたと認定。一方、昭恵氏の名前を出さずに「政治家関係者」と表現する部分もあり、関与の印象を薄めようとの狙いが透けてみえる。動機面でも、首相答弁が改ざんなどに影響を与えた可能性には触れず、首相周辺への「忖度」についても言及を避けた。 (藤川大樹、岡本太)

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