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【社会】

警察取り調べ 全過程可視化8割超 操作ミスなど問題も

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 全国の警察が二〇一七年度に実施した裁判員裁判対象事件の取り調べのうち、全過程の録音・録画(可視化)を試行したのは二千六百十八件だったことが七日、警察庁のまとめで分かった。実施率は一六年度の72・8%から増え、初めて八割を超える81・9%となった。

 可視化の「不実施」は五百七十九件で、うち暴力団事件などの例外や取調官の判断以外に、機器の操作ミスなど問題となるケースが二百二十件あった。担当者は「取調官が機器の操作をすることが負担となりミスの背景になっている。分析して改善したい」としている。

 全過程可視化は一九年六月までに義務化される。

 警察庁によると、一七年度の対象事件は三千百九十七件。一部可視化を含めた可視化全体の件数は三千七十七件(前年度比四十九件増)で、一事件当たりの録音・録画時間は二十四時間四十一分(十二分増)だった。

 全く可視化していない「全部不実施」は百二十件あり、うち百十一件が指定暴力団絡み。

 可視化に使われる記録装置は一七年度末で、全国の警察署などに二千六百台を配備。義務化される一九年六月までにさらに千四百台が必要という。

 また、裁判員裁判対象事件を含む知的障害のある容疑者の取り調べの可視化は三千九百五十八件(五百五十九件増)で、実施率は99・9%だった。

 警察による可視化の試行は〇八年、裁判員裁判対象事件の取り調べの一部で開始。一六年五月には可視化や通信傍受の拡大を柱とした改正刑事訴訟法などが成立した。警察庁は同年十月から、対象事件や留意事項を定めた新指針を示し、全過程の可視化を試行している。

<取り調べの可視化> 自白強要など違法な取り調べを防止し、公判で供述の任意性や信用性を立証するため、取り調べの状況を音声と映像で記録すること。検察は2006年、警察は08年から裁判員裁判対象事件の一部で開始した。厚生労働省の村木厚子元局長の無罪が確定した文書偽造事件をきっかけに捜査・公判改革の議論が始まり、16年5月、裁判員裁判事件と検察の独自捜査事件を対象に取り調べ全過程の録音・録画を義務付けた改正刑事訴訟法が成立した。

 

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