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【社会】

CT診断見落とし2人死亡 千葉大病院、9人にミス

記者会見する千葉大病院の山本修一病院長(左)ら=8日午後、千葉市で

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 千葉大医学部付属病院(千葉市中央区)は八日、医師が二〇一三〜一七年にコンピューター断層撮影装置(CT)の検査画像から、がんの所見を見落とすなどのミスが九件あり、治療開始が遅れた男女二人が死亡したと発表した。病院によると、死亡したのは六十代女性と七十代男性。記者会見した山本修一病院長は「患者ならびに家族の皆さまに誠に申し訳なくおわびする」と謝罪。「担当医が自分の専門分野を見たが、それ以外の確認が不十分だった」と説明した。

 女性については、放射線診断専門医が一三年六月のCT画像をもとに腎がんの疑いを指摘し、診療科医師に報告書を提出。当初、検査は小腸の病気の経過観察が目的だったため、最終的に病気の有無を判断する診療科医師は小腸だけを診て、腎がんを見落とした。女性は一七年十月の別の検査で腎がんと判明し、同十二月に死亡した。市川智彦副病院長は「最初の検査後に治療していれば、その後の経過に大きな違いがあった」と述べた。

 七十代男性については、放射線診断専門医が一六年一月のCT検査の報告書で肺がんの疑いを指摘したが、診療科医師が専門外だったため見落とした。男性は治療開始が一年三カ月遅れ、一七年六月に死亡した。

 死亡した二人以外にも、同じような理由で二人の治療開始が遅れるなどの影響があった。放射線診断専門医による画像診断報告書の作成が遅れ、診療科医師が見ていなかったケースもあった。

 同病院は今年二月に外部調査委員会を設置。調査委員会の提言を受け、同病院は再発防止策として、七月に画像診断センターを設立し、現在十人の放射線診断専門医を十五人に増やし、画像診断報告書を患者にも一緒に確認してもらう仕組みをつくるとした。

◆過去の例から学ばず

<「患者の視点で医療安全を考える連絡協議会」の永井裕之代表(77)の話> CT検査結果の見落としは、過去にも東京慈恵会医大病院などで起きていたのに、千葉大病院は全く学ばずに同じことを繰り返している。「他の医療機関のことだ」と受け止めるのではなく、医療界は真剣に再発防止に取り組むべきだ。個々の医師だけに責任を負わせずに、ミスが起きてしまう仕組み自体を変える必要がある。診断結果に関する情報を複数人で確認するなどチーム医療として動いたり、患者と情報共有したりすることが大事だ。

<千葉大病院> 千葉大の付属病院で千葉市中央区所在。高度な医療を提供する能力があるとして、厚生労働相が個別に承認する特定機能病院になっている。ホームページによると、1874年、前身の病院が設立され、1949年の千葉大の発足と同時に付属病院となった。35の診療科を持ち、病床数は850。歯科医を含めて約780人の医師が勤務し、入院患者は約710人(1日平均)、外来患者は約2140人(同)。

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