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【社会】

小島容疑者「生きる価値ない」 家出繰り返す

 逮捕された小島一朗容疑者は愛知県一宮市の実家の親との折り合いが悪く、二年前から同県岡崎市の親類宅で暮らしていた。「俺には生きている価値がない」「自殺する」などと口にしては家出を繰り返しており、昨年末から家に戻っていなかった。

 親族らによると、小島容疑者は中学まで一宮市内で両親や父方の祖父母、姉と同居。生活態度などをめぐって父親らがたびたび叱り、小島容疑者が反抗的な態度を取ることもあった。中学二年のときには、小島容疑者が中古の水筒を与えられたことに腹を立て、夜中に両親に包丁と金づちを突きつけたという。

 中学校では次第に不登校気味となり、十四歳からは母親の働く自立支援施設で生活。施設によると、インターネットでの調べ物や読書に熱心だったという。

 施設で過ごしながら定時制高校へ通学。成績は優秀で、本来四年の修了期間を三年で修めた。卒業後は、職業訓練校で電気工事などの資格を取得し、十九歳で埼玉県に本社のある機械修理会社へ就職した。しかし、一年ほどで退職。岡崎市内にある親類宅の祖母(81)や伯父(57)らと暮らすようになり、昨年九月に祖母と養子縁組をした。

 親類の家では、自室でパソコンをいじったり、宗教や哲学などに関する本を読んだり。自殺願望を頻繁に口にし、市内の精神科で診察を受けたこともある。

 伯父に生活態度を注意されたりすると、自転車などで家を飛び出した。祖母から与えられた年金口座のキャッシュカードを持ち歩き、生活費にしていた。長野県や岐阜県の山間部を放浪するなどし、警察に保護されたこともあった。

 昨年十二月下旬にも「こんな所にいても仕方がない」と話し、家を飛び出した。祖母が週に一回ほど電話で連絡をとったが、小島容疑者は「自由にさせてほしい」などと応じ、場所などは伝えなかったという。

 祖母は「いっちゃん」と呼び、「こんなことをする子ではなく、信じられない。いっちゃんに会いたい」と話した。

 小島容疑者の父(52)も取材に「とりかえしのつかないことをしてしまった。(遺族には)申し訳ない気持ち」と話した。「一朗」という名前は、米大リーグのイチロー選手にあやかって付けたという。 (高本容平、森田真奈子)

 ◇ 

 小島容疑者は十一日午前九時すぎ、小田原署から横浜地検小田原支部に送検された。眼鏡をかけ、上下グレーの服。三十人近い報道陣のカメラに顔を背けることなく前を向き、捜査員に連れられて無表情で護送車に乗り込んだ。

 

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