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【社会】

刃物持ち馬乗りに 新幹線殺傷 悲鳴、車内パニック

東海道新幹線の車内で起きた殺傷事件で、騒然とするJR小田原駅=9日午後11時55分、神奈川県小田原市で

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 土曜の夜、新幹線が惨劇の場と化した。新横浜−小田原間を走行中ののぞみ265号の車内で九日、乗客がなたで襲われた殺傷事件。小島一朗容疑者(22)=殺人未遂容疑で現行犯逮捕、殺人容疑で送検=は被害者に馬乗りになって切り付け、傷は数十カ所にも及んだ。乗客の証言と神奈川県警小田原署の調べなどから、当時の状況を再現した。 (加藤豊大、福本英司、天田優里、井本拓志)

 「きゃー」。東京発新大阪行き東海道新幹線のぞみ265号が新横浜駅を出発して間もなくの午後九時四十五分ごろ、車内に叫び声が響いた。十六両編成の十二号車だった。

 小島容疑者は二人掛けの通路側「18D」にいた。なたを手に、右隣の「18E」に座っていた女性(27)に切り付け、通路を挟んだ左隣の「18C」の女性(26)にも襲いかかった。二人が後方に逃げると、二列後ろの「20D」に座っていた兵庫県尼崎市の会社員梅田耕太郎さん(38)が、二人を助けるため小島容疑者を止めようとした。

 名古屋市の飲食業の三十代女性は「逃げてー」という声を聞き、慌てて席を立った。前方に逃げる途中に後ろを振り返ると、小島容疑者が梅田さんに馬乗りになり、なたで切り付けるのが見えた。

 三重県四日市市の美容師の女性(40)も、なたを振り回す小島容疑者を見て、「次は自分がやられるかもしれない」と思い、逃げた。梅田さんは初めは抵抗していたが、途中で動かなくなったようだった。「犯人は一点を見つめているような顔。普通じゃない顔だった。秋葉原事件を思い出した」

 名古屋市の三十代女性は、通路を逃げる途中に「ゴン、ゴン」という音を聞いた。振り返ると、刃物で男性を何回も殴っていたという。

 土曜夜の新大阪まで行く最終列車で、乗車率は80%ほど。車内は、東京ディズニーランドや男性アイドルのコンサートなどの土産物を持った女性客らが目立った。

 十二号車の前後の車両には逃げる乗客が殺到。過呼吸を起こしたり、将棋倒しに巻き込まれたりする人もいた。十四号車では、首から血を流し、白いブラウスの肩あたりを真っ赤に染めた女性が「止血をするので、タオルを貸してください」と助けを求めた。十二号車から逃げてきたらしい。医療従事者とみられる乗客が手当てをした。

 列車は午後十時ごろ、小田原駅に臨時停車。十二号車に署員が駆け付けると、小島容疑者は梅田さんにまたがり、中腰の状態だった。周囲には大量の血痕。「おまえがやったんだな」と署員が聞くと「はい」と答え、抵抗するそぶりはなかったという。

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