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【社会】

静岡の遺棄「胸が苦しい」 11年前、闇サイト事件で娘犠牲

磯谷富美子さん

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 静岡県藤枝市の山中で浜松市北区の看護師内山茉由子(まゆこ)さん(29)の遺体が見つかった事件で、県警に逮捕監禁容疑で逮捕された男二人はインターネットの掲示板サイトを通じて知り合ったという。名古屋市千種区で二〇〇七年八月、闇サイトで知り合った男らに娘を拉致、殺害された磯谷富美子(いそがいふみこ)さん(66)は「娘の事件と重なる部分が多く、当時に引き戻されそうで苦しい」と胸中を明かした。 (塚田真裕)

 磯谷さんは今回の事件にネットが関係している可能性を知り、「またか」と話した。十一年前、会社員だった娘の利恵(りえ)さん=当時(31)=は、犯罪の仲間を募る「闇の職業安定所」で知り合った男三人に殺害された。三人は仮想空間の中で事実とうそをない交ぜにした犯罪歴を自慢し合い、その延長で凶悪化した。

 遺体で見つかった内山さんは二十九歳。犠牲になった利恵さんと同じ年頃で、磯谷さんは「娘の事件と似ていて、胸が苦しくなる。犯人は絶対に許せない」と声を絞り出すように語った。

 磯谷さんは事件後、三人の極刑を求める署名活動を続け、三十三万人以上の賛同を集めた。顔を知らない人同士がネットでつながり犯罪に発展する恐れがある有害サイトの規制強化や、ネット時代の新しい法律の必要性も講演などで訴えた。

 だが、裁判では一人が死刑、二人が無期懲役で確定。事件で使われた「闇の職業安定所」は閉鎖されたが、その後もネットを温床にした事件は後を絶たない。

 磯谷さんは今回の事件について「司法がもっと厳しい罰を与えていれば、そして行政が有害サイトの規制を強化していれば、防げたのではないか」と話す。その上で「今やれる対策を全てすべきだ。ネットが関係した事件に誰かが巻き込まれるのは、これで最後にしてほしい」と願った。

 

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