東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 6月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

犯行動機、不可解な点多く 新幹線3人殺傷

神奈川県警小田原署から送検される小島一朗容疑者=11日、神奈川県小田原市で

写真

 東海道新幹線で乗客の男女三人が殺傷された事件は、十六日で発生から一週間を迎える。無職小島一朗容疑者(22)=殺人容疑で送検=は無差別に人を襲ったことを認める一方、新幹線で犯行に及んだ理由を「特にない」とするなど動機には不可解な点も多い。また、安全なはずの新幹線の車内が現場になったが、JR東海の幹部は対策の限界を訴える。 (加藤益丈)

■謝罪の言葉なく

 「社会を恨んでいる。人を殺す願望が昔からあった」。小島容疑者は神奈川県警の調べにそう供述し、「誰でもいいから殺そうと思った」とも話している。凶器のなたと果物ナイフは「三月ごろに長野で買った」と説明。取り調べには淡々と答えながらも、被害者への謝罪や反省の言葉はないという。「死刑にならずに出所したら再び犯行を起こす」という趣旨の供述もしているといい、県警は責任能力の有無を含め調べを進める。

 親族らによると、小島容疑者は家族と折り合いが悪く、二年前から愛知県岡崎市の祖母宅で暮らしていた。昨年九月には祖母と養子縁組した。「俺には生きている価値がない」「自殺する」などと口にしては家出を繰り返し、昨年十二月から家を飛び出したままだった。祖母宅に残されていた小島容疑者のノートには「人生においてやり残したこと」として「刑務所」と書かれていた。

■事件当日に上京

 事件前の足取りも明らかになってきた。昨年十二月に自宅を出た後、「何回か旅行して好きだった」という長野県に自転車で向かい、諏訪湖近くにある岡谷市の温泉施設をたびたび利用していた。事件当日は午前九時ごろ、岡谷駅から特急あずさに乗って上京。同駅に小島容疑者が使っていたとみられる自転車が乗り捨てられていた。都内で半日ほど過ごした後、午後九時二十三分東京発新大阪行きのぞみ265号に東京駅から乗り込んだという。

 東海道新幹線では二〇一五年六月、男が車内でガソリンに火を付けて焼身自殺し、巻き込まれた乗客の女性が死亡する事件があった。JR東海は車内に防犯カメラを設置するなど対策を進めたが、またも事件は起きた。

 同社の金子慎社長は十三日の定例会見で、車内と駅を巡回する警備員を増やす方針を明らかにしたが、手荷物検査は「できない。鉄道の便利さを根本から損なう」と否定。抜本的対策が見つからない中で、難しい課題を突き付けられている。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報