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【社会】

オウム移送 直前まで「訓練」 法務省、奪還警戒し職員確保

 オウム真理教による一連の事件で死刑が確定した十三人のうち七人を、三月に東京拘置所から他の施設に移送した際、法務省が当初「広域警備訓練」名目で職員を動員していたことが、情報公開請求で開示された文書や同省への取材で分かった。奪還防止や秘密保持を図ったとみられ、直前に訓練ではなく、実際に移送すると各地の刑事施設に通達していた。死刑囚の移送の概要が判明するのは異例。

 文書や取材によると、東京拘置所長が三月一日、法務省矯正局長宛てに移送を上申。(1)当所が知り得ない人間関係もあると思われ接触を特に厳格に遮断する必要がある(2)死刑確定者の奪還を目的とした侵害行為の発生が危ぶまれる(3)不適切な外部との連絡を見逃した場合は社会全体の治安を揺るがす事態につながる恐れもある−と理由を挙げ、「対応に相当な負担が生じている」とした。

 その上で、教団関係者の裁判が一月に終結したことを指摘し「当所で全員の収容を継続する必要性が高いとは認め難い」と分散移送を求めた。

 矯正局は移送二日前の三月十二日、関係先に十四日と十五日に広域警備訓練を実施すると文書で通知。十三日になって訓練の中止を告げ、七人を移送すると伝えた。

 東京拘置所長らに宛てた矯正局長の通達では「事故の防止はもとより、部外者に安易に察知されないよう特段の注意」を払うよう要請。警備担当者の装備や携行品に関する記述は非開示だった。

 関係者によると、ある死刑囚は十三日夜に移送を告知されて転房を求められ、十四日早朝からの移送に備えたという。結局、十四、十五日の二日間に七人が移送された。

 オウム真理教元代表の麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(63)=本名・松本智津夫(ちづお)=ら六人は引き続き東京拘置所に収容されている。移送対象について法務省幹部は「心身の状況、教団との関係などを総合的に判断した」としている。

■ 確定死刑囚と収容施設

 オウム真理教による事件の確定死刑囚と収容施設は次の通り。 (呼称略)

【東京拘置所】麻原彰晃(63)=本名・松本智津夫、土谷正実(53)、端本悟(51)、遠藤誠一(58)、豊田亨(50)、広瀬健一(54)

【仙台拘置支所】林(現姓小池)泰男(60)

【名古屋拘置所】横山真人(54)、岡崎(現姓宮前)一明(57)

【大阪拘置所】井上嘉浩(48)、新実智光(54)

【広島拘置所】中川智正(55)

【福岡拘置所】早川紀代秀(68)

 

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