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【社会】

ブロック塀の対策後手 都内も多用、4割に問題か

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 東京都内では、老朽化した木造建築物が密集する山手線外周部で、家や道との区分に古くからブロック塀が多用されている。これらの地区では、震度6強〜7の揺れでも倒壊しないような塀の耐震基準を示す「建築基準法施行令」を約四割が満たしていないとのデータも。専門家は「通学路などで早急に安全対策を進めるべきだ」と指摘する。

 木造住宅が密集する品川区荏原地区。町会総務部長、三宮(さんみや)敏男さん(76)は大阪府でブロック塀が倒壊する事故が相次いだことを受け、「最も安全であるべき通学路で子どもが犠牲になるなんて…。ショックだ」と肩を落とした。

 同地区は一昨年、ブロック塀の製造メーカーでつくる「全国建築コンクリートブロック工業会」の塀の点検調査を受けた。すると、約四割のブロック塀が▽高さは二・二メートル以下にする▽ブロックの厚さは十五センチ以上に−など、施行令を満たすため工業会が推奨する基準を満たしていなかった。

 今回の地震を受け、三宮さんらは十八日、防災コンサルタントとともに、小学校の通学路を歩いた。道路沿いには危険な場所はなかったが、家と家の間にあるブロック塀には、触っただけでグラグラする塀も。「家主に改修を呼びかけたい」と話した。

 同工業会によると、品川区だけでなく、文京区や大田区の一部地区で昨年と一昨年に行った調査でも約四割が基準を満たしていなかった。井上裕夫(ひろお)・前事務局長(67)は「都内には問題点があるとみられる塀がたくさんあり、対策を急ぐ必要がある」と話した。

 「まずは子どもたちの安全確保のため、通学路のブロック塀の改善を優先して進めるべきだ」。都内での調査を主導した防災まちづくりコンサルタントで一級建築士の三舩(みふね)康道さん(68)はこう指摘した上で「木造建築物の密集地域には、高齢者も多く、建て替えが進みにくい。行政も積極的な支援を行う必要がある」と話した。 (原尚子、梅村武史)

 

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