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【社会】

大阪北部地震 インフラ直撃 都市の脆さ 首都圏なお

路面からの高さが2.55メートルある中学校のブロック塀=東京都昭島市で

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 震度6弱を記録した大阪府北部地震では、都市インフラの脆(もろ)さが明らかになり、ブロック塀などの危険性も浮き彫りになった。首都圏では首都直下地震の発生が懸念されるが、対策は道半ばだ。 (榊原智康、清水祐樹、川田篤志、萩原誠)

 今回の地震は通勤、通学時間帯に発生。鉄道は運転見合わせが続き、徒歩で帰宅する人が大勢出た。

 東京都によると、首都直下地震では五百十七万人の帰宅困難者が出ると推定。都は二〇一三年に条例を施行し、企業などに三日分の食料や水などの備蓄を求めた。ただ、東京商工会議所の調査では、会員企業で食料を三日分備蓄しているのは49%。観光客など行き場のない人を受け入れる民間ビルなどの一時滞在施設の収容人数は、九十二万人の想定の37%にとどまる。

 大阪府北部地震ではブロック塀の危険性に注目が集まった。都内でも昭島市の小中学校二校で、建築基準法施行令の定める高さ(二・二メートル)を超える約二・五メートルのブロック塀が確認された。都教委は二十日、区市町村教委に学校と通学路の点検を依頼した。

 都内全域のブロック塀について都の担当者は「倒壊の危険が高いものがどこにあるかなど全てを把握できていない」と明かす。

 都によると、耐震性が不足している建物は、都内の住宅約六百六十万戸のうち16%。ホテルや百貨店など特定建築物約十八万棟でも14%あった。東京大の広井悠(ゆう)准教授(都市防災)は「家の安全性だけでなく、都市全体の安全性をどうやって高めていくかが課題だ」と指摘する。

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 今回の地震では水道管の破裂が相次いだ。都は一六年度に二万七千キロに及ぶ公道下の水道管の99・8%を耐震性の高い管に取り換えたが、東日本大震災では水道管の継ぎ手部分が外れ断水が発生。都内で継ぎ手管の取り換えは42%。都は「計画的にやっているが、まだ途上」とする。

 災害情報が得られず戸惑う外国人も多い。政府は訪日客を一七年の約二千八百万人から東京五輪がある二〇年は四千万人に引き上げる計画だけに対策も重要。観光庁は外国人向け防災アプリをPRしており、都は災害時にホームページなどで外国語で情報を伝えるが、外国人が自らアクセスしないと情報は得られない。JR東日本は災害時に山手線など一部の列車や駅で英語、中国語、韓国語で情報を伝えるが、他の路線は個別に対応。JR東は「社員の英語教育は当社でも課題」と話した。

 最近の震災発生後に目立つのが「猛獣が逃げた」などのデマ。都はツイッターなどの書き込みを分析し、正しい情報を発信する担当者を置くことを決めている。

<首都直下地震> 政府の中央防災会議が2013年に公表した想定によると、冬の夕方にマグニチュード(M)7.3の地震が起きた場合、死者は東京で1万3000人、神奈川、埼玉、千葉などを含めると合計2万3000人の死者が出て、焼失・全壊建物は61万棟にのぼる。

 

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