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【社会】

乳幼児突然死、ITで防ぐ お昼寝の異変、1秒ごと測定

専用アプリが入ったタブレットと、センサーを付けた人形を持つユニファの土岐社長=名古屋市内で

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 保育園での死亡事故の原因で最も多いのが乳幼児突然死症候群(SIDS)だ。SIDSの予兆にITシステムでいち早く気付く、新しい見守りサービスが注目されている。人の目だけに頼っていた子どもの見守りをIT化することで、保育士の負担を大幅に軽減でき、安心で安全な保育環境をつくることができる。 (長田弘己、写真も)

 ITベンチャー、ユニファ(名古屋市)の「るくみー午睡チェック」で、専用アプリが入ったタブレットと、子どもの洋服に付けて使うセンサーをセットにした。乳幼児の死亡事故は突然死が最多を占める。中でも昼寝などの睡眠中にうつぶせ寝の状態で起きることが多い。同社によると、着脱可能なセンサーで睡眠中の子どもを見守るシステムは世界初という。

 センサーは医療機器として認可を受けていて、大きさは直径四センチの円形。寝ている子どもの体の動きから呼吸を感知するほか、身体の向きを一秒間に一回という人間では不可能な頻度で測定する。呼吸停止やうつぶせ寝など異変があれば、アプリがアラーム音を鳴らして知らせる。

 これまで多くの保育園では、保育士が昼寝中の乳幼児を五分ごとにチェックし、その様子をノートに手書きで記録、保管していた。同時に、眠っていない子どもの世話などもせねばならず、大きな負担だった。

 睡眠中の状態をきめ細かく監視するこのシステムでは、アラーム音が鳴ったら、乳幼児と同じ部屋にいる保育士がすぐに体の向きを変えたり無事を確認したりできるので、ITと人の二重チェックで、深刻な状況に陥るリスクを減らせる。

 センサー六人分の月額は一万四千百円で、ほかにタブレット代などの初期費用がかかる。今年四月にサービスを始めたばかりだが、補助金を出す自治体も出てきており、既に東京都を中心に約二百五十の保育園で利用されている。

 システムに蓄積されるデータを、乳幼児の突然死や病気の研究に役立てようと、小児科医や弁護士らによる協議会を今年二月に設けた。現場へのアドバイスなど、子どもの成長を多角的に支援する。新しく非接触型の体温計も発売し、見守りサービスと連動させる考えだ。

 姉が保育士だったため、関連サービスのIT化を思いついたという土岐泰之社長(37)は「言葉で不調を伝えることができない乳幼児の体調悪化に、最新テクノロジーでいち早く気付ける。蓄積データを分析し、突然死や感染症の予防につなげたい」と語る。

 

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