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【社会】

大好きな体操、審判で五輪へ 白井3兄弟の真ん中・晃二郎さん

鶴見ジュニア体操クラブで選手を指導する白井晃二郎さん(右)=横浜市鶴見区で

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 「ひねり王子」こと体操界のエース白井健三選手(21)の次兄の晃二郎(こうじろう)さん(24)が、体操競技の審判員として経験を重ねている。長兄の勝太郎選手(27)も強豪クラブ「コナミスポーツ」で副主将を務め、兄と弟の陰に隠れて選手としては華々しい実績を残せなかった。引退した今、「審判として五輪に出たい」と新たな夢を追っている。 (加藤豊大)

 「兄弟と比べられて『俺は俺なのに』と腐った時期もあった」。兄の勝太郎選手は二〇一四年仁川アジア大会で、弟の健三選手は一六年リオデジャネイロ五輪で共に団体総合金メダルに輝くなど、ジュニア時代から第一線の選手として注目を浴びてきた。

 両親とも日本体育大の元体操選手という「体操一家」。晃二郎さんは一人、伸び悩んだ。「俺だけうまくならない。才能がないのかも、って練習から逃げていた」。高校時代はトレーニングメニューを半分ほどこなしただけで、コーチに「終わりました」と伝えることもあった。日体大進学後も目標を持てず、練習をサボった。

 転機は大学二年だった一三年六月。十六歳の健三選手が、全日本種目別選手権の床で優勝するのを会場で観戦した。「初めて人の演技を見て涙が出た。俺は何をしているんだと情けなくなった」

引退試合になった国体神奈川県予選終了後、兄弟で記念撮影する(左から)健三選手、晃二郎さん、勝太郎選手=同県藤沢市で(晃二郎さん提供)

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 それから休養日の日曜にも自主練習を始め、卒業後は両親が経営する「鶴見ジュニア体操クラブ」(横浜市鶴見区)で中高生の指導に熱を入れるように。学生時代に取得していた審判員の資格を指導に生かそうと、猛勉強の結果、昨年一月、日本体操連盟が認定する最上位の審判資格「一種審判員カテゴリー1」に合格した。取得者は現在、全国で四十七人しかいない。

 父勝晃(まさあき)さん(58)は「もともと大の体操好き。兄や弟とは違う道で特別な才能を見つけてくれた」と喜ぶ。

 昨年七月、現役生活に終止符を打った。その翌八月には、国際体操連盟(FIG)が認定する国際審判のカテゴリー4を取得。先月は、世界選手権の代表選考を兼ねる重要な大会であるNHK杯の審判を任された。

 「寝ても覚めても体操のことを考えている」と晃二郎さん。「まだ実績が足りず、東京五輪の審判は難しいかもしれないが、いつか五輪の舞台に立てたら最高」と夢を語った。

<体操競技の審判員> 五輪で審判を務めるには、世界選手権やワールドカップなどの国際大会を経験し、国際体操連盟(FIG)からカテゴリー1〜4のうち最高位の「1」に認定される必要がある。「1」は現在、世界に34人しかおらず、日本人はアテネ五輪団体総合金メダルの冨田洋之さん(37)だけ。

 

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