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【社会】

はれのひ元社長逮捕 元社長無言 謝罪なく

米国から帰国した「はれのひ」の篠崎洋一郎容疑者=23日、成田空港で

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 被害者への直接謝罪なく−。「はれのひ」の元社長篠崎洋一郎容疑者(55)は三月ごろから海外に渡航し、成人式で晴れ着を着られなかった被害者の前に一度も姿を見せぬまま二十三日、神奈川県警に逮捕された。強引な事業拡大の末に経営破綻し、誠意も見せようとしない元社長の姿に、被害者からはいまだ収まらない怒りとともに、真相究明を求める声が上がった。(加藤益丈、加藤豊大、鈴木弘人、福田真悟) 

 米国から帰国した篠崎容疑者は午後三時半すぎ、成田空港の到着ゲートに姿を現した。マスク姿で、腕に長女とみられる幼い子どもを抱えていた。そばには妻とみられる女性もおり、報道陣のカメラの列に動じることなく、無言で歩き続けた。地下駐車場で記者に「被害者に言いたいことは」と問われても何も答えず、神奈川県警の車両に乗り込んだ。

 「一生に一度の成人式を台無しにした責任は私にある」。今年一月二十六日に会見を開き、こう謝罪をしたものの、今月二十日に横浜市で開かれた債権者集会も欠席し、被害者に直接説明することはなかった。

 二〇一一年にはれのひの前身の会社を設立した篠崎容疑者はそれ以降、関東を中心に店舗を拡大。一四年に神奈川県横須賀市、一五年に福岡市、一六年には茨城県つくば市と千葉県柏市に出店した。

 ただ、売り上げは思うように伸びず人件費などの経費が膨らみ続けた。一四年九月期に約四千九百万円だった借入金は二年後にはその十倍近い約四億三千七百万円に。債権者集会で、破産管財人の増田尚弁護士は集まった債権者に「正常な状態ではなく、自転車操業。急激な出店に業務体制が追いついていなかった。新規出店は破綻への道しるべだった」と話した。

 そうした無理な経営方針の被害者になったのが、新成人だ。当時、横浜市に住んでいて、はれのひで着物を購入した大学二年の女性(20)は、はれのひのスタッフが姿を見せなかったため、成人式で着物を着ることはできなかった。その後、被害者のために無料で晴れ着姿の写真撮影などを行うイベントに参加。「ちょっとは心が晴れた」というものの、「被害者に直接謝るなど、誠意を見せてほしかった」と今も篠崎容疑者への怒りが収まらない。

 長女(20)の振り袖が着付け会場に届かなかった横浜市港北区の女性(45)は「(篠崎容疑者が)逃げ続けることで、うやむやにされると思っていた。捜査が進展してほっとした」と話した。

 ただ、今回の容疑は晴れ着の購入者やレンタルした人に対するものではなく、銀行に対する詐欺。「成人式当日に着付けができない経営状態だと最初から分かっていて、着物を売ったのではないか。はっきりしてもらいたい」と捜査の進展に期待した。

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