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【社会】

フリー記者へのセクハラ深刻 現行法で救済難しく

 前財務事務次官のセクハラ問題で、女性記者らが被害を受け続けてきたことが注目を集めた。一方で、フリーランスのライターらはさらに深刻な状況に置かれている。対策を事業主に求めた男女雇用機会均等法の対象外となるためだ。ライターらは「発注者からセクハラされても、仕事の打ち切りを恐れて声を上げられる状況にない人は多い」と話す。

 ライターや編集者、フォトグラファーなど、出版業界で働くフリーランスの労働組合「出版ネッツ」が昨年三月、組合員約二百人にハラスメント経験を尋ねると、こんな回答が寄せられた。

 「発注者である出版社の社員から男女の交際を強要され、断ったら仕事を打ち切られた」(校正・編集者)「男性大学教授に取材して飲食し、帰りのタクシーで抱きつかれた」(ライター)

 同組合トラブル対策チームの杉村和美さんは「仕事を失うことを恐れ、訴え出ても意味がないとして声を上げられない人は多いと思う」と話す。「代わりはいくらでもいる」「能力不足」など、暴言を吐かれたケースも複数寄せられた。

 現行法で救済されにくい点も、泣き寝入りを強いられる要因だ。フリーランスは自身が事業主であるケースも多い。労働者とみなされず、労働局への相談や調停といった行政的な救済制度の対象外になりがちだ。

 労働政策研究・研修機構の内藤忍さんは「相談体制の整備や事後の適切な対応など、男女雇用機会均等法上の措置義務に類似した義務を発注者側にも負わせ、フリーランスも保護対象にすべきだ」と話す。

 出版ネッツは今後、出版社やその労組に、フリーランスが相談窓口を利用できるよう求めていくことを検討するという。

 

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