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【社会】

親不在でも子ども引き渡し ハーグ条約実施法見直し 強制執行検討

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 離婚に伴う子どもの引き渡し手続き規定を議論している法制審議会(法相の諮問機関)の民事執行法部会が、裁判所から子どもの引き渡しを命じられた親が現場にいなくても、もう一方の親に引き渡す強制執行を可能とする方向で同法の改正を検討していることが二十六日、分かった。

 上川陽子法相は閣議後の記者会見で、改正の方向性を認めた上で「非常に重要な課題だ。強制執行の実効性を確保しながら、子どもの心身の負担に最大限配慮した内容になるよう期待している」と述べた。

 昨年九月の部会の中間試案は、引き渡しの場に原則として、子どもと同居する親がいることが必要としていた。しかし、現在でも同居する親が不在で引き渡しができないケースがあることや、今後も引き渡しを妨害するために、親がわざと姿を隠す可能性が指摘されていた。

 このため、同居する親が不在でも、引き渡される側のもう一方の親が現場にいれば、強制執行を可能とする内容に見直す方向になったという。

 国境を越えて連れ去られた子どもの取り扱いを定めた「ハーグ条約」に基づく国内ルールを定めたハーグ条約実施法の規定も同様に見直す。同法は現在、同居する親が引き渡しの現場にいることが必要としている。

 現行の民事執行法には、子どもと同居する親が、引き渡しを命じる判決に応じない場合の強制執行手続き規定がなく、差し押さえなど不動産以外の物(動産)に関する規定で運用しているため、子どもを物扱いすることへの批判が出ていた。部会は今回の見直しを含めた要綱案をまとめ、今秋にも答申する予定。

<子どもの引き渡し> 離婚に伴い、親権を持たない親が子どもを連れて同居している場合、親権を持つもう一方の親は引き渡しを請求することができる。引き渡しを命じる判決が確定しても応じない場合、親権を持つ親からの申し立てを受けた裁判所の執行官らが、子どもを連れ出す強制執行をする。執行現場では、子どもへの影響に配慮し、同居している親の理解を得る努力をするが、執行を断念するケースも多い。

 

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