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【社会】

強制不妊 司法判断待たず救済へ

 旧優生保護法(一九四八〜九六年)の下で障害者らへの不妊手術が繰り返された問題で、自民、公明両党による合同ワーキングチーム(WT)は二十八日、仙台地裁などで起きている国家賠償請求訴訟の判決を待たずに、救済に乗り出す方針を固めた。「政治の責任で支援する」との考えで、七月から具体的な補償の在り方を検討していく。

 司法判断が出るには一審でも提訴から数年かかるのが一般的。手術を強いられた当事者の高齢化が進む中、早期の解決を図る必要があると判断した。方針を明確にすることで、超党派の議員連盟と連携して救済策の取りまとめを加速させ、来年の通常国会での法案提出を目指す。こうした立法府の動きに応じ、政府も訴訟の長期化を避ける考えだ。

 過去のハンセン病を巡る訴訟では、二〇〇一年に熊本地裁が国の隔離政策の違憲性を認めた。政府内では控訴することも検討したが、当時の小泉純一郎首相が控訴断念と補償金の支払いを政治決断した。与党幹部は「今回の不妊手術問題では司法の判断を待たず、救済ありきで進める」との考えを示している。

 与党WTは次回七月の会合で、早期の救済方針を確認した上で、具体的な補償の仕組みについて議論を本格化させる。厚生労働省に要請する形で、不妊手術の個人記録が都道府県などにどれだけ残っているかを調べており、記録が一切現存していない当事者の扱いや、「合意」に基づき手術を受けた人も救済の対象にするかなどを検討していく。

<旧優生保護法> 「不良な子孫の出生を防止する」と掲げ、知的障害や精神疾患、遺伝性疾患などを理由に本人の同意がない場合でも「優生手術(不妊手術)」を認めた議員立法による法律。1948年に施行され、96年に優生手術などに関する規定が削除され母体保護法に改められた。手術は約2万5千人に対して行われ、うち約1万6500人は本人同意のない強制だったとされる。

 

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