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【社会】

深夜沸いた「危なかった」 W杯決勝T進出 サポーター安堵

パブリックビューイングで、日本の決勝トーナメント進出に喜ぶサポーターら=29日午前0時53分、東京都港区で

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 「危なかった…」。サッカーのワールドカップ(W杯)ロシア大会で、日本はポーランドに敗れながらも、セネガルとのフェアプレーポイントの差で辛くも二大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。声援を送り続けたスタンドのサポーターからは一様に安堵(あんど)のため息が漏れた。

 東京都港区芝公園の東京タワー横に設けられた「スターライズタワー」でのパブリックビューイングには、定員いっぱいの四百五十人が集まり、大きな「ニッポン!」コールを送った。

 日本がシュートを打つ度に期待の歓声が上がり、選手の名前を叫んで応援。ポーランドの攻勢を間一髪で止めると、どよめきとともに拍手でたたえた。

 後半の終盤、さらなる失点と反則のリスクを避け、攻めずに時間を稼ぎ始めると、戸惑いの表情を浮かべる人も。試合終了の瞬間は静かに迎え、少しして日本の決勝トーナメント進出が決まると、肩を抱いて喜び合った。

 茨城県つくば市の会社員霞浩章さん(32)は「戦術は、セネガルの試合がもう動かないと判断して、監督が責任を取ったのだろう。監督がギャンブルに勝った」と評価した。

 東京都世田谷区の大学生宮下幸歩(ゆきほ)さん(20)は「勝ってほしかったけど、八年ぶりの進出を日本中が喜んでいると思う。ともかく次、頑張ってほしい」。初めてパブリックビューイングで観戦した横浜市の大学生小松伸栄瑠(のえる)さん(20)は「臨場感があって良かった。またこうして見たい」と満足そうだった。 (神谷円香)

◆ジリジリ 必死の声援

 攻めたいのに、守勢に回る展開。スマートフォンでコロンビア−セネガル戦の結果を確認しながら、じりじりと、足踏みするサポーターたち。敗戦を告げる笛とほぼ同時にもたらされた決勝トーナメント進出の報に、会場では拍手とともにブーイングも響いた。

 最もスタンドが沸いたのは前半31分だった。ポーランド選手の強烈なヘディングを川島永嗣選手(35)=メッス=が間一髪、右手一本でかきだした。

 過去二戦では失点に絡んで批判も浴びた守護神が見せたスーパーセーブに、スタンドの悲鳴が大歓声に変わる。左頬に日の丸をペイントした東京都世田谷区の会社員手島花林(かりん)さん(29)は、隣に座る上司の牛谷達郎さん(35)=川崎市=と手を取り合いながら「カワシマー」と叫んだ。

 猛暑と虫の発生が各国を悩ませてきたボルゴグラードのスタジアム。この日の気温は三六度。強烈な日差しが照り付けるバックスタンドに集まった日本サポーターたちは、あふれ出る汗を扇子やタオルでしのぎながら、膨らませた青いごみ袋を手に声援を送った。

 セネガルとの第二戦から先発メンバー六人を入れ替えた日本は、惜しいシュートは放ちながらも決定機を決めきれない。プレーが止まる度にペットボトルで給水する選手たち。青いアフロヘアのかつらをかぶった愛知県豊田市職員の加納良宣さん(45)はウエットティッシュで首元を冷やしながら、「こんなに暑い中、選手はよく動いている」と目を細めた。

 そして後半14分、フリーキックからポーランドのシュートが決まった。誰もマークにつかない守備の乱れ。ポーランドサポーターが赤と白のマフラーを振り回して喜ぶ様子に、ぼうぜんと腕を組んでいた日本サポーターたちは、思い出したかのように拍手と「ニッポン」コールを繰り返す。応援では、日本サポーターが負けることはなかった。 (ボルゴグラード・河北彬光、栗田晃)

 

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