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【社会】

全民放キー局で違法残業 是正勧告 5年で計9回

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 社員らに上限を超える時間外労働(残業)をさせたなどとして、三田労働基準監督署が二〇一三〜一七年、労働基準法違反で在京民放キー局全五社に計六回の是正勧告をしていたことが三十日、関係者への取材で新たに分かった。この期間にテレビ朝日が三回の勧告を受けていたことは共同通信の取材で五月に明らかになっており、五社が受けた勧告は計九回となった。

 放送界では近年、NHKの三十代の女性記者や、テレビ朝日の五十代の男性プロデューサーが相次いで過労死。業界をリードする在京キー局全社での違法残業のまん延が明らかになったことで、働き方改革を求める声は、さらに強まりそうだ。

 各社の広報担当者は「真摯(しんし)に受け止め、改善に努めている」などと回答している。

 三田労基署の勧告は、テレビ朝日が四回、日本テレビが二回、TBSテレビ、テレビ東京、フジテレビがそれぞれ一回だった。指摘はほとんどが違法残業で、割増賃金の未払いや子役を不適切に働かせていたことも認定された。テレビ朝日は、既に明らかになっていた一四年五月〜一七年一月の三回のほか、一四年一月にも勧告されていた。

 三田労基署がテレビ東京に出した一三年三月の勧告では、制作部門の実働時間が労使協定(三六協定)で定めた限度を超えていたことが認められた。残業が月百時間の「過労死ライン」を超え、月百四十五時間に及んだケースもあった。

 フジテレビに対する一七年三月の勧告では、編成局や制作局などの社員が三六協定で定めた限度を超えて残業していたほか、派遣労働者にも派遣元の三六協定を超える長時間労働があったと認められた。

 日本テレビ、テレビ朝日、TBSテレビに対する勧告では、それぞれ派遣労働者の違法残業などが指摘された。

◆氷山の一角では

<労働問題に詳しい嶋崎量弁護士の話> 放送界は勤務時間が変則的で番組の納期もあるため、長時間労働になりやすい。是正勧告で指摘された違反は正社員や派遣社員に関してだが、同じ現場で働く下請け会社の労働者のことを考えると、氷山の一角の可能性が高い。下請け会社の方が勤務時間の管理が甘くなりがちで、長時間労働を強いているケースも多い。放送局は掛け声だけでなく、人員を増やすなど配置を見直し、働き方の中身にも手を付ける必要がある。

<三六協定> 労働基準法は原則1日8時間、週40時間までなどと労働時間や休日日数を定めており、それを超えて従業員を働かせる場合に労使が合意の上で結ぶ協定。時間外や休日の労働には割増賃金の支払いが必要となる。労基法36条に基づくため「三六(サブロク)協定」と呼ばれ、所管の労働基準監督署長に届け出る。厚生労働省の告示で、協定で定める残業時間は長い場合でも月45時間までなどの上限があるが、特別条項を付ければ年6カ月まで、さらに働かせることも可能。

 

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