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【社会】

憲法、絵本で感じて 生きた理念 約40冊を紹介

山崎さん(左から2人目)の自宅離れで開かれている「国分寺・市民憲法教室」=東京都国分寺市で

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 東京都国分寺市の自宅で、市民向けの「憲法教室」を主宰する山崎翠(みどり)さん(81)が出版した「絵本で感じる憲法」(大月書店)が反響を呼んでいる。「基本的人権」など、憲法の理念が息づく絵本を紹介し、楽しみながら条文を理解してもらおうというユニークな構成。「素晴らしい憲法に関心を持ち、学ぶ人を一人でも増やしたい」との思いが込められている。 (萩原誠)

 元小学校教員の山崎さんは、憲法教室のほか、絵本の読み聞かせを五十年近く続けている。ある時、絵本「いいこってどんなこ?」(冨山房)で、母ウサギが子ウサギのバニーに「バニーはおかあさんのたからもの」「いまのまんまでいいの」と語りかける場面を読み、考えた。「それって、憲法の『個人の尊重』のことじゃないかしら」

 憲法一三条は「すべて国民は、個人として尊重される」とうたう。長年の読み聞かせを通じ、絵本の多くから「あなたはありのままでいいんだよ」「一人ひとりが大切」というメッセージが伝わってきたが、改めて「憲法と根っこがおなじだなぁ」と感じた。

 原発事故の避難者を題材にした作品からは、基本的人権の「居住、移転の自由(二二条一項)」「健康で文化的な最低限度の生活(二五条一項)」に思いをはせた。大きな国の大統領が兵士を連れ、軍隊のない小さな国を征服しようとする物語では、前文と九条を思い起こした。

 絵本に憲法が生きている。これを広く知ってもらおうと、約四十冊を選び、憲法の条文と照らしながら紹介する異色の絵本ガイドが完成した。

 大月書店の編集者岩下結さん(38)は「生活実感のある子育て世代に伝わる言葉で書かれている」と指摘する。読者からは「読み聞かせの経験から、著者なりに理解した語り口が身近に感じられる」などの反響が寄せられ、昨年末の発売以来、売れ行きは順調という。

 山崎さんは「日本国憲法の理念を改めて実感し、生きる希望が持てた。この憲法こそ手放したくないし、将来の子どもたちに残したい」と話している。「絵本で感じる憲法」は千三百円(税別)。問い合わせは大月書店=電03(3813)4651=へ。

◆憲法教室今年で25年 22日に講演会

 山崎さんが主宰する「国分寺・市民憲法教室」は、憲法学者の夫真秀さんが1994年に始めた。97〜2001年に国分寺市長を務めた真秀さんが07年6月に亡くなると、翌年に山崎さんが引き継いだ。現在、8人の運営委員が月1回の教室を運営している。

 山崎さんはこれからもできる限り、教室を続けていきたいという。「住宅地の片隅で憲法を真剣に考えている人がいることが人から人へと伝わり、次々に種が飛んでいくように、この素晴らしい憲法への関心が広がってほしい」と願う。

 開講25年記念の講演会を22日、国分寺駅北口すぐのcocobunjiプラザリオンホール(定員260人)で開く。文部科学省の前川喜平前次官が「文部科学省でもっと憲法を生かす仕事がしたかった」をテーマに話す。午後2時開演で0時半から入場受け付け(先着順)。会費は一般1000円、大学生500円、高校生以下無料。問い合わせはEメール=kenpokyoshitsu@gmail.com=へ。

山崎翠さんの著書「絵本で感じる憲法」

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◆紹介している主な作品 

・いいこってどんなこ?(冨山房)

・ふくしまからきた子(岩崎書店)

・せかいでいちばんつよい国(光村教育図書)

・スーホの白い馬(福音館書店)

・スイミー(好学社)

 

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