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【社会】

原爆前後写した500枚 広島の写真家遺品から発見

被爆者で写真家の迫幸一さんの遺品から見つかった、産業奨励館(現・原爆ドーム)前で肩を組む学生の写真(迫青樹さん提供)

写真

 広島への原爆投下で被爆した写真家迫幸一さん(一九一八〜二〇一〇年)の遺品から、三〇〜五〇年代ごろの広島市内や周辺を写した未発表の写真が見つかった。少なくとも五百枚あり、専門家は「原爆投下前後の街の変遷を知る上で非常に貴重」と評価。迫さんの長男が広島市内にオープンする資料館で閲覧できる。

 迫さんは広島県呉市出身で、原爆投下後の四五年八月八日に広島市内に入り、残留放射線を浴びた。人や自然をテーマにした作品を数多く発表。海外で高い評価を受け、米国のニューヨーク近代美術館などに作品が収蔵されている。迫さんの死後、長男の青樹さん(72)が遺品を整理していて、十万枚以上のネガフィルムやプリントされた写真を発見。原爆投下直後の写真は見つかっていないが、被爆前の産業奨励館(現・原爆ドーム)や、終戦から八年後に撮影したとみられる完成間もない平和大橋や原爆資料館など、広島の風景写真が数多く出てきた。

 原爆資料館の小山亮学芸員は「戦中から戦後までの広島を継続的に写しており価値が高い。未確認のものの中に、まだ重要な写真が眠っているかもしれず、詳細に調査する必要がある」とする。

 青樹さんは七日、広島市佐伯区に迫さんの作品や機材を展示する資料館「写真サロン迫」を開く。「家庭を顧みず写真にのめり込む父が嫌いだったが、写真を通じて何かを伝えようとした父の素晴らしさが分かった」と語る。

 資料館は入場無料。九日以降は土日のみのオープンで予約が必要。問い合わせは資料館のメールへ。アドレスはs-sako@cc22.ne.jp

 

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