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【社会】

文科省、見えぬ信頼回復 二重の疑惑に肩落とす職員

前局長逮捕に揺れる文科省=5日、東京・霞が関で

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 文部科学省の前科学技術・学術政策局長佐野太容疑者(58)が東京地検特捜部に逮捕された受託収賄事件では、私立大支援事業の恣意(しい)的な対象選定と、入試の不正という疑惑が同時に浮上し、文科省に二重のダメージとなった。天下りや加計(かけ)学園を巡る問題で批判が続く中、組織立て直しの道筋は見えない。

 文科省の戸谷一夫事務次官は五日、自民党の文科部会で「文科省の信頼を失墜させる行為で、社会をお騒がせし、深くおわびする。捜査に協力し、一日も早い実態解明に全力を尽くす」と謝罪。

 出席した議員からは「文科省(の官僚)が一番やってはいけないことだ。ふざけるな」「事業のプロセスがどうなっていたのか、明らかにすべきだ」などと厳しい声が上がり、次官らの責任を追及する意見も出た。

 佐野容疑者が便宜を図った疑いがあるのは、経営改革に取り組む大学を支援するための「特別補助」の一つである「私立大学研究ブランディング事業」の選定だ。

 少子化で経営環境が厳しさを増す私立大は、国の支援事業獲得にしのぎを削っている。今回の選定に、当時官房長だった佐野容疑者の意向が働いていたとすれば、大学同士の競争を促してきた文科省の信頼は足元から崩れる。

 佐野容疑者が見返りとして、東京医科大の入試で自分の息子の点数を加算してもらい、合格させてもらったとされる点にも厳しい目が注がれる。入試の公正確保を強調してきた文科省の幹部が不正の恩恵を受けていたとなれば、今後の指導にも説得力を欠くことになりそうだ。

 ある文科省のキャリア官僚は「天下り問題もあり不祥事が続いて国民に申し訳ない気持ちだ」と肩を落とす。別の幹部は「説明すべきことはする必要があるが、捜査が入っており、文科省として現時点でどこまで調べられるのか分からない」と困惑した様子で話した。

◆最大のスキャンダル

<元文部科学省官僚の寺脇研京都造形芸術大客員教授の話> 文科官僚が税金を使って裏口入学をやったということであれば、とんでもない話だ。入試という教育で最も重要なことを私物化しており、文科省始まって以来最大のスキャンダルではないか。全国の受験生や家族、学校教員にどう説明するのか。文科相が辞任して謝罪すべき問題だ。大学の認可手続きが不明朗だった加計学園問題もとんでもないが、官僚が個人の欲望のために入試手続きをねじ曲げたのであれば、聞いたこともない大問題だ。

 

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