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【社会】

心の病、労災認定506件 過去最多 10年でほぼ倍増

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 厚生労働省は六日、職場での嫌がらせや長時間労働などが原因で「心の病」になったとして、二〇一七年度に労災認定されたのは過去最多の五百六件だったと発表した。このうち過労自殺は未遂を含め九十八件。うつ病、急性ストレス反応などの労災認定は二十〜四十代に目立ち、〇八年度(二百六十九件)からの十年間でほぼ倍増している。

 精神障害で労災認定された五百六件のうち、原因別では「嫌がらせ、いじめ、暴行」が八十八件と最多。ほかに「二週間以上にわたる連続勤務」が四十八件、「一カ月に八十時間以上の時間外労働」が四十一件あり、長時間労働は主な要因の一つになっている。

 過労自殺には、新国立競技場の建設に従事し、昨年十月に労災認定されていた建設会社新入社員の男性=当時(23)=や、裁量労働制の違法適用が判明し、長時間労働が確認された五十代の野村不動産社員のケースも含まれる。

 年代別にみると、四十代が百五十八件で最も多く、三十代が百三十一件、二十代が百十四件。労災の申請件数は千七百三十二件で、前年比9・2%増だった。

 一方、脳・心臓疾患の労災認定は二百五十三件で、うち死亡は九十二件。残業時間別では月八十時間以上がほとんどで、百六十時間以上も二十件あった。

 先月二十九日に成立した「働き方」関連法は、残業の上限規制として「月百時間未満、二〜六カ月平均八十時間」と定めたが、八十時間未満でも労災認定されたケースが十三件、うち死亡が六件あった。業種別では、脳・心臓疾患、精神障害ともに道路貨物運送業が最も多い。精神障害には医療や福祉・介護の関係者も目立った。

 厚労省は裁量労働制を巡る労災認定件数も公表。一七年度は違法適用のケースを含め十四件で、うち過労死や自殺(未遂含む)は七件あった。

 関連法で来年四月に施行し、一部の専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ、残業代ゼロ制度)」に関して、加藤勝信厚労相は「高プロ制度についても(労災補償状況を)公表していきたい」との考えを示している。 (石川修巳)

 

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