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【社会】

松戸女児殺害 元保護者会長に無期判決 千葉地裁「DNA型、証拠価値」

渋谷恭正被告

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 千葉県松戸市立小学三年のベトナム国籍レェ・ティ・ニャット・リンさん=当時(9つ)=を殺害したとして、殺人などの罪に問われた小学校の元保護者会長渋谷恭正(やすまさ)被告(47)の裁判員裁判で、千葉地裁は六日、無期懲役の判決を言い渡した。検察側は死刑を求刑していた。被告側は判決を不服として即日控訴した。

 野原俊郎裁判長は判決理由で、被告が保護者会長で、女児が通う小学校の通学路の見守り活動をしていた点を踏まえ、「社会や学校教育に与えた衝撃や不安は計り知れない」と指摘。一方で、無期懲役が言い渡された他の同種事案と比べ、「殺害行為が残虐とは言えず、計画性の立証も十分ではない」とし、「死刑がやむを得ないとは言えない」として極刑を回避した。

 争点だった、リンさんと被告のものが混ざったDNA型が遺体の付着物から検出されたとする鑑定結果について、判決は「被告が犯人と強く推認でき、証拠価値は極めて高い」とした。

 弁護側は捜査機関による証拠の捏造(ねつぞう)などの可能性を主張し、「DNA型鑑定は信用できず、他に証拠はない」として、全面的に無罪を主張していた。

 千葉地検の清野憲一次席は「判決内容を精査し、上級庁とも協議の上、適切に対処したい」とコメントした。

 判決によると、昨年三月二十四日、登校中のリンさんをわいせつ目的で軽乗用車に乗せて連れ去り、首を圧迫するなどして殺害。同日、同県我孫子市の排水路脇の橋の下に遺棄した。

判決後、レェ・ティ・ニャット・リンさんの遺影を前に記者会見する父親のレェ・アイン・ハオさん=6日、千葉市中央区で

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◆リンさん父 極刑回避に悔しさ

 「納得できない。リンちゃんはまだ天国に行けない」。リンさんの父親のレェ・アイン・ハオさん(36)は判決後に千葉県庁で記者会見し、死刑回避の判決に悔しさをあらわにした。

 ハオさんは昨年五月に渋谷被告が起訴された後、ホームページを立ち上げ、リンさんの写真や動画などを公開し、死刑判決を求める署名活動を続けてきた。これまでに約百十七万人分が集まったという。

 会見には母親のグエン・ティ・グエンさん(31)も同席し、「無期懲役はおかしい。新潟でも同じような事件が起きている」と話し、「署名活動を続けたい」と語った。

 

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