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【社会】

オウム真相、闇残し 麻原死刑囚の刑執行 元幹部6人も

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 法務省は六日、一九九五年の地下鉄サリン事件などオウム真理教による十三事件を首謀したとして殺人罪などに問われ、死刑が確定した教団元代表の麻原彰晃(しょうこう)死刑囚(63)=本名・松本智津夫(ちづお)、東京拘置所=と、元教団幹部六人の計七人の刑を同日午前、東京や大阪など各拘置所で執行したと発表した。死者二十九人、負傷者六千人超を出し、社会を揺るがした未曽有の組織犯罪で十三人の死刑が確定しているが、刑の執行は初めて。

 麻原死刑囚以外に死刑が執行された幹部六人は、井上嘉浩(よしひろ)(48)=大阪拘置所、新実智光(54)=同、中川智正(55)=広島拘置所、早川紀代秀(68)=福岡拘置所、土谷正実(53)=東京拘置所、遠藤誠一(58)=同=の各死刑囚。

 七人の死刑執行は、法務省が死刑執行の事実や人数を公表し始めた九八年十一月以降、一日に執行された人数として最多。麻原死刑囚は一審の途中から証言をしなくなり、真相を語らないままの執行となった。今後は、残る六人の死刑囚の執行が焦点となる。

 上川陽子法相は六日午後に記者会見し、「慎重にも慎重な検討を重ねた上で執行を命令した」とした上で、七人を選んだ理由については「答えを差し控える」と明らかにしなかった。

 死刑執行を受け、公安当局は同日、信者らによる報復措置などを警戒。公安調査庁がオウムの後継団体「アレフ」、教団元幹部の上祐史浩氏(55)が設立した「ひかりの輪」、アレフから分かれた新団体の十四都道府県の計二十六施設を立ち入り検査したほか、警察庁も全国警察本部に情報収集などを指示した。

 確定判決などによると、麻原死刑囚は他の教団元幹部らと共謀。九五年三月二十日、教団への強制捜査を回避するため、中央官庁が集まる東京・霞ケ関駅を通る地下鉄三路線五車両に猛毒サリンをまき、乗客ら十三人を死亡させ、六千人以上を負傷させた。

 九四年六月、教団進出に反対する住民との間で裁判が続いていた長野地裁松本支部の裁判官を標的とし、同支部近くの長野県松本市内の駐車場でサリンを散布。八人を死亡させ、六百六十人を負傷させた。

 八九年十一月、「オウム真理教被害者の会」を支援していた坂本堤(つつみ)弁護士=当時(33)=と妻都子(さとこ)さん=同(29)、長男の龍彦ちゃん=同(1つ)=の一家三人を横浜市内の自宅で殺害した。

 二〇〇四年二月、東京地裁は麻原死刑囚に死刑を言い渡し、〇六年九月に死刑が確定。今年一月、元信者の高橋克也受刑者(60)の無期懲役が確定し、一連の事件の刑事裁判が終結した。

 

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