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【社会】

豪雨死者105人 不明80人超 15府県2万3000人避難

土砂崩れで住宅が倒壊した広島県熊野町の現場=8日午後3時24分

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 活発な梅雨前線による西日本豪雨は九日までに、各地で被害が拡大し、死者は新たに佐賀県で一人が確認され十二府県計百五人に上った。安否不明者は岡山県倉敷市や広島市で大幅に増え、計八十人以上になった。中国・四国地方を中心とした被災地では梅雨明けの厳しい暑さの中、救助や捜索が続いた。気象庁は大雨特別警報を全て解除したが、引き続き土砂災害や河川氾濫への警戒を呼び掛けた。総務省消防庁によると、八日午後九時時点で十五府県の避難所に計二万三千人が身を寄せた。

 関連死を含め四十人が死亡、二人が行方不明となった昨年の九州北部の豪雨を大きく上回る甚大な被害となった。政府は八日、非常災害対策本部を設置。安倍晋三首相は九日午前の会合で「(警察や自衛隊などの)実動部隊を七万三千人に増強し、全力で救命救助に当たっている」と述べた。

 倉敷市真備(まび)町地区では川の堤防が決壊し、地区の約三割が浸水。建物の屋上などに千人以上が一時取り残された。国土交通省はポンプ車で同地区での排水を進めた。市によると、浸水家屋は推計約四千六百戸、地区一帯からの避難者は三千〜五千人とみられる。患者や職員らが孤立していた「まび記念病院」では九日未明、全員の救出を確認した。

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 八日以降も各地で死者を確認。広島県では、熊野町川角五の住宅地で土砂崩れに巻き込まれて十二人が安否不明になり、うち一人とみられる遺体が、福山市では、ため池決壊で家ごと流された女児(3つ)の遺体が見つかった。愛媛県宇和島市で土砂崩れにより住宅で生き埋めとなった男性(63)と、高知県大月町で裏山が崩れ住宅が倒壊した女性(58)も死亡した。倉敷市真備町地区でも多数の遺体が見つかった。

 住宅二棟が倒壊した京都府綾部市の現場で男女三人が死亡。岐阜県関市では用水路に横転した車の男性が、北九州市門司区の土砂崩れ現場でも男性(68)が死亡した。

◆首相、財政支援を表明

 安倍晋三首相は九日、官邸で開いた西日本豪雨の非常災害対策本部会合で、被災者の生活再建を支援する省庁横断チームの設置を指示し、被災自治体への財政支援を表明した。菅義偉官房長官は記者会見で、警察や消防、自衛隊、海上保安庁の計七万三千人、ヘリコプター七十機が不明者の捜索や被災者救助に当たっていると説明した。

 政府の非常災害対策本部設置は二〇一六年の熊本地震以来。八日に初会合を開催し、不足している物資の供給や避難所の暑さ対策で関係自治体を支援することを確認した。省庁横断チームは杉田和博官房副長官をトップに、各省庁の事務次官級で構成し、被災自治体への職員派遣や避難所の環境整備、仮設住宅や物流の確保に当たる。

 西日本豪雨の激甚災害指定を巡り、菅義偉官房長官は八日の記者会見で「関係省庁が早急に被害状況の把握に努める。被災自治体が安心して復旧できるような態勢を取る」とし、検討を急ぐ考えを強調。政権幹部も、指定に向けて手続きを加速させる意向を示した。

 政府は九日、小此木八郎防災担当相を団長とする調査団を岡山、広島両県に派遣した。被災地を視察し、両県知事と意見交換する。

 内閣府は同日までに、高齢者ら配慮を必要とする人の状況把握など、避難所運営での注意事項を自治体に通知した。

 国土交通省は、避難生活の長期化を見据え、都市再生機構(UR)や自治体に、公営住宅の空室や賃貸物件を仮設住宅に使えるよう協力を要請した。

 

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