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【社会】

死者200人 不明60人超 西日本豪雨1週間 避難7000人

安否不明者の捜索が続く広島県熊野町の土砂崩れ現場に座り込む男性=12日午後5時9分

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 西日本豪雨で警察庁は十二日、被災地での死者が十四府県二百人に上ったと発表した。共同通信のまとめでは、広島、岡山両県を中心に六十人超が安否不明。十五府県で約七千人がなお避難を余儀なくされている。近畿から九州まで広範囲に大雨特別警報が出されてから十三日で一週間。土砂崩れや河川氾濫の被害を受けた地域ではインフラの復旧が進まず、生活再建のめどは立たない。

 死者・不明者が二百九十九人に上った一九八二年の長崎大水害以降、最悪の豪雨被害となった。総務省消防庁によると、避難指示・勧告対象は最大で二十三府県、約八百六十三万人に及んだ。

 七日に十九府県で四万二千人を超えた避難者は十二日正午時点で、十五府県で七千八十五人。

 被災地では警察や自衛隊、消防、海上保安庁が七万人以上の態勢で不明者捜索や救援活動を継続。気象庁は、被害が大きい中国・四国地方の各地で週末にかけて厳しい暑さが続くとして、熱中症予防や体調管理を呼び掛けている。

 鉄道はJR西日本など十事業者二十六路線が運休。JR四国でも復旧まで最長二カ月かかる区間もある。国土交通省によると、高速道路は八路線八区間で通行止めとなっている。

 停電やガスの供給停止はおおむね復旧したが、多くの家庭で断水が続いており、厚生労働省によると断水戸数は十二日正午時点で計二十三万五千戸。

 警察庁によると、被災地での死者は広島九十一人、岡山五十八人、愛媛二十六人、京都五人、山口、高知、福岡各三人、岐阜、兵庫、佐賀、鹿児島各二人、滋賀、鳥取、宮崎各一人。

◆捜索難航・被災者の心身限界

 西日本豪雨の被災地では十二日もうだるような暑さが続いた。機動隊員らが土砂崩れ現場などで、安否不明者の捜索に汗を流す。「想像できないような被害」。見守る被災者らは、復旧の見通しがつかない惨状に絶句した。

 多数の犠牲者を出した広島県呉市の天応地区。何軒もの住宅が土石流にのまれた。自衛隊員が重機でがれきを切り崩し、手作業で廃材や土砂をより分けた。

 自宅が被害に遭った会社員石田栄一さん(39)は小中学校で一緒だった同級生二人が犠牲になったという。「昔から知る人が亡くなるというのは悲しい。地区全体が想像できないような被害状況だ」

 四人の遺体が見つかった同県坂町の小屋浦地区では、片付けに追われる住民らが時折手を止め、炎天下の捜索を見守った。自宅一階の全てが土砂に埋まった高下博美さん(61)は「この辺は皆が顔見知り。高齢で逃げ遅れた人もたくさん知っている」。

 避難所に身を寄せる被災者からは「眠れない」「食欲がない」といった心身の不調を訴える声が上がるなど、避難所生活は過酷さを増している。

 岡山県倉敷市真備町地区の岡田小には歯ブラシや衣類などの支援物資が届けられた。体育館は身を寄せ合う被災者でいっぱい。タオルを首にかけて座り込み、うちわであおぐ人の姿が目立った。主婦犬間明子さん(62)は「最初は命が助かっただけ良かったと思っていた。でも一週間がたち、今後への不安が増してきている」と話した。

 避難所を巡回して健康相談に乗っている岡山赤十字病院の三宅尚美副看護部長(54)によると「だるい」「食欲がない」と訴える人が多い。十日に診察した約三十人のうち、十人ほどが熱中症と診断された。

 

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