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【社会】

外国人の不正医療調査 公的保険で負担逃れ

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 在留外国人による公的医療保険の不正利用や制度の隙間を突いた乱用が問題視されていることから、厚生労働省は十五日までに、実態把握に向けた全国調査を始めた。公的保険に加入して高額医療の自己負担額を低く抑える目的で不正に在留資格を得た事例の件数などを、市町村を通じて調べる。今秋に結果をまとめ、防止策を検討する。

 在留外国人は約二百五十六万人おり、国籍別では中国が最多。会社で働いている場合、中小企業が対象の全国健康保険協会(協会けんぽ)か大企業中心の健康保険組合に加入し、扶養家族にも適用される。

 会社員でなくても留学や企業経営などで在留期間が三カ月を超える人は国民健康保険(国保)に入る。

 だが、実態がないにもかかわらず「留学」「経営」などの在留資格を不正に取得したり、親族関係が曖昧な人が海外から医療を受けに来たりするケースが発生。公的保険に加入すれば自己負担は原則三割となり、負担に月単位で上限額を設ける「高額療養費制度」を利用すると、高度な医療を受けても月数万円程度に抑えることが可能だ。保険制度に損害を与えるとして、医療関係者らが対策を求めている。

 厚労省は今年一月から、高額療養費制度を受けるための認定証を申請した外国人について、市町村が「留学生なのに通学していない」「経営者なのに給与所得がある」などの理由で不正在留と判断した場合、入国管理局に通知する仕組みを試行。通知件数や入管が実際に在留資格を取り消した件数を集計する。

 このほか海外で出産した外国人に国保から四十二万円の出産育児一時金が支払われたケースや、今年二月までの一年間にかかった国保の医療費のうち外国人が占める割合なども調べる。

 国籍要件がない健保については、協会けんぽなどに聞き取りを実施。海外に住む親族を扶養対象と認定する方法が統一されていなかったため、公的証明書で確認するよう関係団体に通知し、厳格化を求めている。

 

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