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【社会】

福祉避難所 人足りない 職員も被災 高齢者集中

 西日本豪雨の被災地の復旧が見通せない中、総務省消防庁によると、十六日正午現在、十六府県で約四千八百人が避難生活を余儀なくされている。岡山県倉敷市真備(まび)町箭田(やた)の特別養護老人ホーム「シルバーセンター後楽」には、被災した系列の老人ホームの三十人ほどが身を寄せている。もともと定員いっぱいの約百人が利用。災害弱者を受け入れる福祉避難所に指定されているが、職員も被災し、人手不足の状況が続く。「認知症の症状が進むのでは」と、利用者への影響が懸念されている。

 三十人はベッドが並べられたホールに集められている。十六日、テーブルを囲み、昼食を取る姿があった。職員の一人は「笑顔が日に日に少なくなってきている」と話した。

 車いすの通行を妨げるため、間仕切りはない。避難してきた男性(71)は「他人の生活音が聞こえ寝られない。プライバシーはない」と疲れた表情を見せた。

 福祉避難所は一般の避難所で生活に支障を来す高齢者や障害者らが安心して過ごせるよう、バリアフリー化された施設などで、自治体が事前指定する。倉敷市内には三十五カ所ある。

 シルバーセンター後楽の職員の中には、自宅や車が水に漬かり、出勤できない人もいる。避難者が利用していた老人ホームは真備町地区ではもう一つの福祉避難所だったが、再開には数カ月以上かかる見通しだ。

 後楽も電話やインターネットは復旧せず、薬を手配するファクスを病院に送ることすらできない状態だ。

 後楽の武本和憲施設長(46)は「職員は歯を食いしばっているが、人が足りない。認知症の高齢者がストレスで症状が進行したり、足腰がさらに悪くなったりする可能性がある」と懸念する。運営する社会福祉法人の矢吹和弘理事(57)は「介護関係のボランティアの受け入れを拡大してほしい」と訴えた。

 

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