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【社会】

初の司法取引 タイに捜査共助要請 社員「経費増恐れ賄賂」

 司法取引制度が初めて適用されたタイの発電所建設に絡む贈賄疑惑で、不正競争防止法違反(外国公務員への贈賄)の疑いで調べている東京地検特捜部がタイ当局に捜査共助を要請し、現地関係者の供述調書など関連証拠の提供を受けたとみられることが十七日、関係者への取材で分かった。特捜部は、タイの公務員側に賄賂が渡った経緯を調べている。

 一方、事業を受注した大手発電機メーカー「三菱日立パワーシステムズ」(MHPS、横浜市)の担当社員が「現地の港に資材を荷揚げできないと経費がかさむため、賄賂の要求に応じた」と供述していることも分かった。特捜部は社員らの立件を目指す一方、司法取引の合意内容に基づき法人の起訴は見送る方針。

 関係者によると、三菱重工業(東京)は二〇一三年、タイの発電事業者から発電所建設事業を受注。火力発電事業部門を日立製作所(同)と統合して一四年に設立されたMHPSは、現地の港に資材を荷揚げする際に現地の港湾関係の公務員から賄賂を求められ、担当社員らが数千万円を支払った。荷揚げできないと事業が中断し、作業員の人件費が膨らむ可能性があったという。

 MHPSは内部告発で不正を把握。社内調査の結果、不正競争防止法違反に当たると結論付け、特捜部と司法取引の協議を進めた。双方はその後、それぞれの約束事項を記載した「合意内容書面」に署名した。

<国際捜査共助> 国内の刑事事件の捜査に必要な証拠を海外で集める必要がある場合、その国の捜査当局に関係者の事情聴取や資料収集などの協力を要請すること。逆に依頼されることもある。外交ルートを通すのが原則だが、日本の場合、米国、韓国、中国、香港、ロシア、欧州連合(EU)との間では中央当局(日本は法相など)同士でやりとりできる条約や協定を結んでいる。共助には国際刑事警察機構(ICPO)を通すルートもあり、入手した証拠は国内の捜査や公判で利用できる。

 

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