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【社会】

西日本豪雨 長引く避難生活 高齢者の体調悪化懸念

段ボールで仕切られただけの避難所で、配られたおにぎりを見詰める中本昌子さん。プライバシーがなく、ストレスがたまる=広島市安芸区の矢野南小で

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 西日本豪雨の被災地では二十日夜の時点で約四千五百人が避難生活を送っている。長引く避難生活で体調を崩す人も出始めた。専門家は「災害関連死などの二次被害に注意が必要」と呼び掛ける。 (天田優里)

 十八人の死者・不明者を出した広島市安芸区の矢野南小の体育館。腰の高さほどの段ボールで間仕切りしたスペースに、三十一世帯の約九十人が生活する。開設当初はエアコンがなく、五日ほど後に熱中症対策で設置された。食事や生活用品の物資もようやくそろい始めた。

 ただ、高齢者にとって避難生活は厳しい。「段ボールの上にキャンプマットを敷いてもらったが、足腰が悪くて、しびれてしまう」。土砂が流れ込んだ矢野東地区から息子と避難してきた主婦中本昌子さん(80)は、何度も脚をさする。持病の薬を持って逃げるのに精いっぱいで「着の身着のまま。何も手持ちがない」。食事は配給が頼りだがおにぎりが多く、栄養も偏りがち。ストレスからか眠りも浅く「早く普通の生活に戻りたい」と漏らす。

 広島県坂町の町有住宅の集会所では、約六十五平方メートルの居住スペースに二十五人が雑魚寝で過ごす。自宅が全壊した無職本田幸嗣さん(68)は「ストレスや生活再建への不安がある」と話す。平屋の自宅が土砂で埋まった会社員西尾実さん(52)は、逃げ遅れて屋根の上で半日過ごした。「避難勧告が出ても、大丈夫だろうと思ってしまった。間違いだった」と後悔する。

 兵庫県立大の阪本真由美准教授(防災危機管理)は「床の上でじかに寝ている高齢者は身体機能が衰え、災害関連死につながることが多い」と指摘。さらに「西日本豪雨は人ごとではない。最低限必要な物資と、そうでない物を事前に分けておくことが大事」と日ごろの備えを呼び掛ける。

 

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