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【社会】

人員減で労災認定遅れも 労基署に配転計画 企業の「働き方」監督部署増員

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 先月成立した「働き方改革関連法」に基づき、長時間労働の是正などを進める厚生労働省は、全国の労働基準監督署で企業を監督・指導する監督官を、本年度から三年間で五百七十一人増員する一方、労働者や遺族が請求する労災申請に対応する労災担当官を六百六十六人減らす大規模な配置転換を計画していることが分かった。すでに人手不足で労災認定には遅れが出ており、配転が進めば、認定業務にいっそう支障をきたす恐れがある。

 働き方改革関連法では、企業の違法残業などへの監視を強めるため、「監督指導体制の強化」を特に重視。野党の一部も賛成した付帯決議でも「法令順守を確保するための監督指導徹底が必要不可欠」として、監督官の増員を「政府の優先事項として確保」することが盛り込まれた。

 これを受け、厚労省は本年度から二〇二〇年度までを集中取組期間と定め、同法の趣旨に沿う形で監督部署を増強する大規模な配置換えを決めた。関係者によると、昨年度の監督部署の職員が千九百二十九人だったのに対し、二〇年度は二千五百人に増やす。その一方で、労災担当部署は昨年度は千九百六十六人だったのを、二〇年度には千三百人まで減らすとしている。

 国の公務員削減計画で、全国三百二十一カ所の労基署の職員はこの五年間で七十五人減る中、監督部署は百十一人増と強化されてきた。他方、労災申請では「仕事で鬱(うつ)病を発症した」など精神疾患が絡むケースが昨年度は十年前の約一・八倍と大幅に増加。精神疾患の場合、労災認定の判断は「八カ月以内」が目標とされるが、労災部署の人手が足りず、これ以上かかるケースが多々ある。

 厚労省の労働基準局は取材に対し「職員の配置については、一切コメントできない」としている。

 

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