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【社会】

東京五輪まで2年 暑さ対策全力

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 二〇二〇年東京五輪は二十四日で開幕まで二年を迎えた。東京都内では二十三日に初めて四〇度以上を観測。五輪やパラリンピックに向けて大会組織委員会などは暑さ対策に力を入れるが、効果が未知数な部分も少なくない。

 「東京大会で威力を発揮するのでは」

 二十三日、東京・有楽町で開かれた打ち水やミストシャワー(噴霧器)などの紹介イベント。小池百合子知事らは、昔の知恵や新技術をアピールしたが、通りかかった女性(47)は「これで暑さを抑えると言っても限界がある。外国人が耐えられるか心配」と話した。

 大会組織委員会は、暑さへの危機感が強い。特に懸念しているのが、競技会場に入るためのセキュリティーゲートで、観客の長い行列ができることだ。

 炎天下で身動きできない状況を避けるため、テントを張って日陰をつくり、大型冷風機で暑さを和らげる方針。ゲートの近くでコンサートなどのイベントを開き、行列を分散させることも検討。待ち時間を二十分程度に抑えたい考えだ。

 大会ボランティアには、通気性に優れた服を用意し、屋外の活動時間に上限を設ける。一部の競技時間を早朝などにずらし、マラソンは当初予定から三十分早めて午前七時開始とした。

 しかし、二十三日は午前七時でも三〇度を超えた。組織委は各国に東京の気象状況を伝え、暑さを想定した練習を促す。酷暑時に競技を実施するかの判断基準も検討する。担当者は「テストイベントで検証して本番に臨みたい」と語った。

 都も対策に取り組む。マラソンコースなどの路面に、温度上昇を八〜一〇度低減できる特殊な塗装を施す工事を実施。大会までに会場周辺など計百三十六キロに塗る計画で、昨年度までに百十六キロを終えた。

 会場と最寄り駅を結ぶルートなど二十九カ所では、木陰を増やすための街路樹対策にも着手。木の高さや横幅を大きくする剪定(せんてい)を始めている。微細ミストなどを設置する区市への補助事業では、港、中央、千代田各区と調布市が選ばれ、来年度さらに二自治体増やす。担当者は「対策は限られるが、やれることをやるしかない」と話す。

 大阪国際大の井上芳光教授(温熱生理学)は「一番の問題は来日してすぐ観戦する海外の観客と、子どもや高齢者。マラソンなら沿道の店やビルを開放するなど、皆で協力して涼しい場所をつくることが必要」と指摘する。(山本哲正、川田篤志、榊原智康)

 

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