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【社会】

西日本豪雨で高齢者252施設被災 13府県644人避難生活

岡山県倉敷市真備町地区の避難所で過ごすお年寄り

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 西日本豪雨で被災した岡山、広島など十三府県で、特別養護老人ホーム(特養)や認知症グループホームなど計二百五十二施設が水没や床上浸水などの被害に遭い、このうち三十施設に入所する高齢者六百四十四人が別の施設や病院などに移って避難生活をしていることが二十四日、厚生労働省のまとめで分かった。

 厚労省が自治体に被害情報の提供を求め、同日午前十時までの報告をまとめた。高齢化で要介護者の受け皿となる施設は増加傾向で、避難長期化に向けた対策が急務だ。

 高齢者施設の被害を府県別にみると、最も多いのは岡山の六十九施設で、広島六十二施設、福岡四十一施設と続いた。特養などに入所していた高齢者で避難しているのは、岡山で十二施設三百十六人、山口一施設九十九人、広島九施設八十六人などとなっている。

◆浸水介護施設使えない 避難の公民館で運営

 岡山県倉敷市の小規模多機能ホーム「ぶどうの家」は施設が浸水し、使用できない状態が続く。一部の利用者は同市真備(まび)町地区の真備公民館の分館に避難。しかし介護設備はなく、被災から二週間がたっても環境が整わないままだ。

 「おいしいですか」。七月中旬、分館にある広さ約九十平方メートルの集会室。車いすの人や重い認知症の高齢者ら十一人が、ヘルパーから食事などの介助を受けていた。ぶどうの家に通っていた人や、別の施設を利用していた高齢者らだ。自宅が被災したため、分館に身を寄せている。

 介護用の仮設トイレは設置されたが、専用の風呂はなく、車で別の温泉施設などに行っている。日中は床にブルーシートを敷いて過ごし、夜はベッドがないので布団を敷く。ぶどうの家の武田直樹施設長(46)は「利用者はストレスがたまっているようだ」と話す。

 車や自宅が水に漬かり、出勤できない職員もいる。ある女性職員は「人繰りが大変」と疲れ切った様子。

 同志社大の立木茂雄教授(福祉防災学)は「介護保険などの制度を弾力的に運用し、他施設への短期入所を手配する必要がある。移動が難しければ、市が今からでも『福祉避難所』に指定し、他の事業者がヘルパーを派遣するなどの措置を取るべきだ」としている。

 

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