東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

夏休みだけど、水温高すぎ 学校プール、中止相次ぐ

東京都新宿区立西新宿小の玄関に張られたプールの使用中止を知らせる紙=24日

写真

 連日の記録的な猛暑を受け、各地の学校や教育委員会でプールの使用を中止する動きが広がっている。水温やプールサイドの気温が上がり、子どもが熱中症になることを避けるためだ。夏休みのプールは子どもの楽しみで、涼を求めるものになるはずだが、専門家は「水中では体調変化を自覚しにくい」と指摘する。

 東京都新宿区の区立西新宿小。二十四日午後三時半ごろ、屋外プールの日陰になる場所に設置された温度計の目盛りは三八度を指していた。「プールに入ると生ぬるく、泳ぐと疲れてしまう状態だ」。清水仁校長(55)が額の汗を拭って説明した。

 同校は二十三日から予定していた水泳指導を二日連続で中止にした。プールサイドに遮光ネットを張り、日陰をつくっているが、この猛暑では焼け石に水の状態だという。

 「プールでは子どもは夢中になり、知らぬ間に体力を消耗してしまう」と清水校長。児童からは「泳ぎがうまくなりたい」「夏休みでも友達に会いたい」との声も寄せられるが「命には代えられない」と言い切る。

 教育委員会単位で中止に踏み切るケースも出ている。愛知県安城市教委は二十四日付で、市立小中学校に週内のプール使用中止を通知した。二十三日までは各学校の判断に委ねていたが、担当者は「これだけ暑い中でのプール活動は危険。一律で中止判断をした」と話す。

 文部科学省が二〇一四年に発表した水泳指導の手引は、望ましい水温を二三度以上としつつも「あくまで目安で、水温、気温などを考慮して判断することが大切」とも記載。スポーツ庁の担当者は「気温や水温が何度に達したら中止するという基準はないが、各教委や学校で適切に判断してほしい」と呼び掛ける。

 「水中ではのどの乾きを感じにくく、水圧で体が保たれ脱水症状を自覚しづらい」。こう指摘するのは日本体育大スポーツ危機管理研究所の南部さおり副所長だ。「小さな子どもは体調の変化をうまく言葉にできず、熱性疲労にも『疲れた』『眠い』と口にすることがある」とも説明する。

 南部さんはさらに「熱中症は自覚症状がメイン。体調がおかしいと感じたら友達や先生に伝えるよう指導することも必要だ」と強調した。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】