東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から > 7月の記事一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

介護保険、自己負担3割に 来月から、所得高い12万人が負担増

写真

 八月一日から所得の高い高齢者を対象に、介護保険サービス利用の自己負担が二割から三割に引き上げられる。厚生労働省の推計では、負担増となるのは利用者全体の3%弱に当たる約十二万人。何割負担かを記した「負担割合証」を市区町村が送付しているが、「なぜ自分が三割なのか」との問い合わせも。必要なサービスの利用をやめる人が出る恐れも指摘されている。

 三割負担の導入は、昨年五月の改正介護保険関連法成立で決まった。高齢化の進行に伴う社会保障費の伸びを抑える狙いがある。対象は、利用者四百九十六万人(二〇一六年四月現在)のうち「現役並み」所得者で、単身では年収三百四十万円(年金収入だけの場合は三百四十四万円)以上、夫婦世帯だと計四百六十三万円以上。

 ただ、月四万四千四百円が負担の上限となっているため、それを超えた場合は実際の負担額は三割よりも低くなる。末期がんなどで利用する六十五歳未満の人は対象外。介護サービスの自己負担は二〇〇〇年の介護保険制度スタート以降、原則一割だったが、一五年八月から一定以上の所得者は二割になった。

 厚労省の委託調査では、二割負担となった人の3・8%がサービス利用を減らしたり中止したりした。「負担が重い」ことが理由だった人はそのうち35・0%で、今回も一部の人がサービス利用を控える可能性がある。

 高所得者の多い東京都世田谷区では、要介護認定を受けている人の13・6%に当たる約五千四百人が対象になるという。区の担当者は「ぎりぎりのラインで負担増となる人からの問い合わせが多いが、丁寧に説明するしかない」と話す。

 認知症の人と家族の会(京都市)の阿部佳世事務局長は「必要なサービスを受けられなくなると、症状が悪化する恐れがある。利用者本位で考え、原則一割負担に戻すべきだ」としている。

<介護保険制度> 高齢化が進む中、介護が必要な高齢者を家族だけでなく、社会全体で支えようと、2000年に始まった。40歳以上が保険料を支払う。原則65歳以上の要介護認定を受けた人が、訪問・通所介護といった在宅サービス、老人ホームでの施設介護などを一部の自己負担で利用できる。40年度には利用者が747万人に増え、介護給付費(利用者負担を除く)も18年度比2・4倍となる見通しで、費用抑制が課題となっている。国、地方の公費(税金)と保険料で賄われており、運営主体は市区町村。

 

この記事を印刷する

東京新聞の購読はこちら 【1週間ためしよみ】 【電子版】 【電子版学割】

PR情報