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【社会】

「朝鮮人追悼文 今年も控える」 小池都知事、市民団体再考要請へ

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 東京都の小池百合子知事=写真、潟沼義樹撮影=は一日、知事就任から二年の節目となる二日を前に本紙の単独インタビューに応じた。毎年九月に都内で営まれる関東大震災で虐殺された朝鮮人犠牲者追悼式で、歴代知事が送ってきた追悼文の送付を昨年取りやめた問題で、今年も送付しないと明言した。追悼文送付を求めて署名を集めている市民団体は近く、小池氏に面会を要請して署名を手渡し、再考を訴えたいと希望している。

 小池氏は、都慰霊協会が主催する関東大震災の大法要で、「都知事として全ての犠牲者に哀悼の意を示している。個別の形での追悼文の送付は控える」と、昨年と同じ理由を説明。「慰霊の気持ちには変わりはない」とも付け加えた。

 都民らからは反発の声が上がる。追悼式を主催し、署名に取り組む市民団体の一つ、日朝協会都連合会の赤石英夫さん(77)は「震災の犠牲者と、人の手で虐殺された死は違う。その事実を認めず、埋没させるのは負の歴史を反省せず、現代において民族排外主義やヘイトスピーチの容認にもつながる」と批判する。

 署名は約八千人と百三十近い団体から集まっている。「事実を忘却させず、二度と同じ過ちを繰り返させない」と訴える内容だ。

 朝鮮人虐殺を伝える劇を東京都世田谷区で上演中の劇団「燐光群(りんこうぐん)」の坂手洋二(さかてようじ)さん(56)は「五輪の国際協調の精神を尊ぶのなら、送付をやめるのは問題。加害者であった事実を葬り去り、歴史を捏造(ねつぞう)する動きに拍車をかける」と憂える。

 朝鮮人虐殺を扱う企画展を開催中の認定NPO法人高麗博物館(新宿区)の新井勝紘(かつひろ)館長(73)は「朝鮮人というだけで殺してしまった、その歴史の中での重みを知事は理解されてないのか」と残念がった。 (川田篤志、辻渕智之)

 

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