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【社会】

西日本豪雨から1カ月近く 被災児童の心身に変調

ボランティアの読み聞かせを聞く西日本豪雨で避難している子どもら=1日、岡山県総社市で

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 西日本豪雨の発生から一カ月近くがたち、岡山、広島、愛媛の被災三県で、被災した子どもの心身の変調を訴える保護者からの相談が増えていることが、各県や児童相談所への取材で分かった。川の堤防決壊で大規模な氾濫が起きた岡山県倉敷市にある児相には「暴言、暴力がひどくなった」などの被災による相談が十件以上寄せられているという。

 多くは小学生以下で、発達障害がある子どももいた。倉敷児相の浅田浩司所長は「周りの環境が落ち着くにつれ、心の状態が変化した可能性がある。保護者は動揺せずに変化を受け止め、対応してほしい」と話す。岡山県や倉敷市は、スクールカウンセラーなど専門家を増員するなどして、心のケアを進める。

 倉敷児相によると、被災直後には「家の片付けができないから子どもを預かってほしい」などの支援を求める相談が寄せられていたという。

 しかし、被災から約三週間が過ぎたころからは、「精神的に不安定になった」と子どもの変調を訴える内容が増加。多くの住宅が浸水した倉敷市真備町地区の子どもについては「大切なおもちゃを流されて不安定になった」「後ろ向きな言葉が増えた」といった相談もあった。

 各地で土砂災害が起きた広島県でも同様の状況があるほか、愛媛県でも「急に泣きだす」「豪雨の場面を思い出して不安定になる」などの相談もあった。

 岡山県では、七月十八日から総社市にある県立大で、避難中の小学生を主な対象にした一時預かりを開始。ボランティアの保育士らが一緒に遊んだり、話を聞いたりしている。

◆落ち着いて接して

<兵庫県立大大学院の冨永良喜教授(災害臨床心理学)の話> 子どもは心の状態が行動に表れやすい。被災から時間がたち、周りの目がある避難生活が終わるなど日常生活に戻り始めると、安心して怒りや悲しみといった感情を表に出しやすくなる。誰にでも起こり得る自然な反応なので、保護者は落ち着いて接することが大切。自身も被災して不安定な精神状態にあったとしても、「よく頑張ったね」「怖かったね」など優しい言葉をかけてほしい。どう接すればいいか分からないときは、近くにいる保健師やスクールカウンセラーなどに相談してほしい。

 

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