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【社会】

性差別、職業選択の自由侵害 女子減点「違憲の疑い」

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 東京医科大(東京都新宿区)が一般入試で女子受験者の得点を一律に減点していた疑惑は、性別を理由とした恣意(しい)的な得点操作といえるだけに、性別などによる差別を否定した憲法に違反している可能性が高いとの指摘が出ている。憲法学者で女性の人権に詳しい仏教大の若尾典子教授=写真、仏教大提供=に聞いた。 (聞き手・川田篤志)

 −憲法上の問題は。

 「『法の下の平等』で性別などによる差別を否定した憲法一四条に違反している疑いが強い。不正操作は『妊娠や出産を機に職場を離れる女性が多く、系列病院の医師不足を回避する目的』と報道されている。事実なら明らかに女性差別だ。受験では大学の裁量権は認められるが、テストの点数を操作するのはその範疇(はんちゅう)を超えている」

 −差別された受験生にとって不利益は大きい。

 「職業選択の自由を規定する憲法二二条にも違反している疑いがある。医者になるには医大や医学部を卒業し、国家試験に合格しなければならない。大学に入れなければその機会を奪われる。間接的に見えるかもしれないが、女性の労働権も侵害しているのでは」

 −東京医科大特有の問題なのか。

 「私も二十年前に女子学生に、受験の面接で男性教授から『結婚や出産で医者を辞めないか』と聞かれた、と相談された。昔からあった問題が表面化していなかっただけで、本当に根が深い問題だ。医学教育のあり方が問われている」

◆日本国憲法

14条1項

すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

22条1項

何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。

 

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