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【社会】

東京医大 女子ら差別06年から 不正入試、2年で19人に加点

会見する東京医科大の行岡哲男常務理事(左)と宮沢啓介学長職務代理=7日午後、東京都内のホテルで(松崎浩一撮影)

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 東京医科大の不正入試問題で、内部調査委員会は七日、遅くとも二〇〇六年度から、女子と浪人の受験生に不利な得点操作が続いていたとする調査結果を公表した。不正を主導したのは大学トップの臼井正彦前理事長(77)だったと指摘。動機について「同窓生の子らを入学させ、寄付金を多く集めたい思いがあった」とした上で、前理事長や鈴木衛前学長(69)が「親から謝礼を受け取っていたようだ」とも言及した。 (蜘手美鶴)

 トップ二人のほか複数の職員の関与も判明。公正であるはずの入試が長年にわたり、組織ぐるみでねじ曲げられていたことが鮮明になった。

 調査委によると合格者の調整は、臼井前理事長が同大の入試委員会委員だった一九九六年ごろ始まった。

 二次試験の得点を独自の計算式で操作する方式は、確認できるだけで〇六年度の入試には採用されていた。直近の一八年度は全員の得点に〇・八を掛け、現役と一、二浪の男子に二十点、三浪の男子に十点を加点。女子と四浪以上の男子には加点しておらず、調査委は「重大な女性差別的な思考がある」と批判した。

 不正には臼井前理事長の指示を受けた職員も数人関与し、近年はパソコンで自動計算していたという。

 前理事長は調査委に、女性の合格者を抑制した理由について、結婚や出産での離職や長時間労働への懸念を挙げたという。

 また、同窓生の子ら特別扱いすべき受験生をリストにまとめ、一次試験後に加点して合格できるよう調整。一八年度は六人に十〜四十九点を加点した。昨年度の一次試験でも十三人に八〜四十五点を加えていたことを確認した。

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 大学の行岡哲男常務理事は記者会見し「社会の信頼を大きく裏切り、心からおわび申し上げる」と陳謝。問題を受けて辞任した臼井前理事長、鈴木前学長には退職金の返還を求める。

 問題発覚のきっかけは、文部科学省の私立大学支援事業に医科大が選ばれるよう便宜を図ってもらう見返りに、前理事長らが同省前局長の佐野太被告(59)=受託収賄罪で起訴=の息子を不正に医学部に合格させたとする東京地検特捜部の捜査だった。息子は今年の一般入試で合格。調査委によると、二次試験で慣例としていた二十点の加点だけでなく、特別枠にリストアップされ、一次試験でも十点加算されていた。

◆全国の医学部調査へ

 林芳正文部科学相は七日、東京医科大の内部調査で入試不正が認定されたことを受け、全国の国公私立大の医学部医学科を対象に、入試が公正に行われているかどうか緊急調査する考えを明らかにした。省内で報道陣の質問に答えた。

 調査票を各大学に送付する形で実施するとみられ、質問項目などは今後検討する。林氏は「早急に実施するよう事務方に指示した」と述べた。

 今回の問題については「社会の大学教育への信頼を損なうもので大変遺憾だ」と批判。東京医科大への私学助成減額などのペナルティーを科すかどうかは、大学の内部調査報告書の内容を踏まえて検討するとした。

 

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