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【社会】

オスプレイ5機、米通告 10月 横田正式配備

夜間に米軍横田基地に着陸するオスプレイ=22日午後9時37分(嶋邦夫撮影)

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 防衛、外務両省は二十二日、米空軍の垂直離着陸輸送機CV22オスプレイ五機が、米軍横田基地(東京都福生市など)に、十月一日に正式に配備されると発表した。防衛省によると、米軍は二〇二四年ごろまでに段階的に機数を増やし、十機態勢にする。沖縄以外の国内でオスプレイが配備されるのは初めて。安全性への懸念が払拭(ふっしょく)できないまま、首都圏での飛行が固定化する。

 五機の正式配備と同時に同基地に新設される「米空軍特殊作戦群飛行隊」の所属となる。米側が日本側に通告した。訓練場所は横田基地のほか群馬、長野、新潟県にまたがる訓練区域、キャンプ富士(静岡県)、三沢対地射爆撃場(青森県)などを想定。横田基地周辺の市街地上空も恒常的に飛行することになる。

 オスプレイは、プロペラの向きを離着陸時は上に、巡航飛行中は水平方向に変える「ティルトローター」方式の航空機。開発段階から事故が多発し、最近では一六年十二月、米海兵隊のMV22が沖縄県名護市沖で着水、大破。昨年八月にはオーストラリア沖で訓練中、着艦に失敗し墜落した。

 空軍のCV22は基本性能はMV22と同じだが、潜入作戦などで特殊部隊を輸送するのが任務。夜間や低空飛行といった過酷な条件での運用が前提となっており、基地周辺の住民らから安全への懸念が出ている。

◆首都圏飛行が常態化

<解説> 米空軍のCV22オスプレイが横田基地に正式配備される。どんな飛び方をしても日米地位協定上、日本側が運用に関与できないまま、安全性への懸念が強い機種が、恒常的に首都圏の空を飛ぶ。事故や騒音にさらされるという沖縄の痛みが、首都圏の問題として、より浮かび上がる。

 防衛省は、沖縄・普天間(ふてんま)飛行場にMV22オスプレイが配備された際の日米政府間合意を基に、横田基地での深夜早朝の飛行制限や、人口密集地上空の飛行回避などを「米軍は順守する」と説明する。ただしこの合意も、米軍が「飛ぶ必要がある」と判断するだけで、反故(ほご)にされる。実際に普天間では深夜に飛び、住宅地上空の飛行実態もある。

 さらに、オスプレイはたびたび重大事故を起こしているが、仮に事故があっても、日本側は捜査も検証もできない。今年二月には、普天間所属のオスプレイが飛行中に部品を落下させていたのに、日本側に連絡さえなかった。

 政府は今回の配備を「日米同盟の抑止力・対処力を向上させる」とうたう。だとしても日本国内での米軍の配備や運用が、いつまでも米軍任せでいいのか。安全保障論議以前の問題が、置き去りにされている。 (原昌志)

 

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