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【社会】

眠らぬ空港 縁の下の外国人 訪日客増で成田採用拡大

7月、「トラベラウンジ」受付で接客するロネータ・ラトゥマイタブキさん(右端)

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 政府が観光立国を掲げ、訪日外国人旅行者が増える中、成田空港では多言語への対応などを目的に、外国人従業員の採用が広がっている。各地で国内空港の利用客が伸び続けるとみられる一方、空港関連の仕事は人手不足が見込まれる。国土交通省は外国人材に活路を見いだそうと、政府の新しい在留資格創設を念頭に、航空業界での受け入れ拡大を検討している。

◆海外で求人

 「お会計はご一緒ですか」「喫煙所は外にあります」。七月末、成田空港の有料の「トラベラウンジ」の受付で、フィジー人のロネータ・ラトゥマイタブキさん(24)が、シンガポールからの男性グループを流ちょうな英語で接客していた。

 成田国際空港会社(NAA)グループが初めて直接雇った外国人の一人で、七月に配属された。英語が公用語で高学歴な失業者が多いことからフィジーに白羽の矢を立て、現地で求人と面接を実施。百八十一人の書類応募者からラトゥマイタブキさんら三人を採用した。

 成田で保安検査を担う警備会社は、この数年で外国人検査担当者を大幅に増やした。中国、韓国、スリランカなど出身の約十人がおり、現場の責任者は「日本人の語学力では液体の検査などに時間がかかることがあり、厳しい」と背景を語る。

11日、真夜中のターミナルで清掃する外国人従業員(左)ら=いずれも成田空港で

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◆24時間・3K

 空港関係者が外国人の労働力に期待するのには、語学力以外にも切実な事情がある。「華やかに見える空港だが、裏では3K(きつい、汚い、危険)な仕事が多い」(NAA幹部)うえ、「裏方」の勤務は、発着時間外の深夜や未明にまで及ぶことだ。

 「日本人はより条件の良い職場を選んでいる」とみているのは、二十四時間体制で清掃業務をする「成田空港美整社」(千葉県成田市)の植松真衛(まもる)執行役員。清掃員約三百人のうち、外国人が三十五人を占め「これからの空港の業務は、外国人なしに成立しない」と話す。

◆効率化も

 国交省によると、訪日客増を受け、国内空港の国際線旅客数は二〇一二年度から一六年度までで約一・四倍になった。成田を巡っては今年三月、三本目の滑走路建設といった機能強化計画に地元と合意。必要な従業員数は現在の約四万人から約七万人になる見込みだ。

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 国は顔認証技術を使った出入国審査時の自動化ゲートを羽田、成田、中部、関西、福岡の各空港に導入するなど一部業務の効率化を図る。

 それでも国交省の担当者は「少子化もあり、航空需要に労働力が追い付かなくなる」と懸念。新たに創設する在留資格に、航空機の誘導などをするグランドハンドリング(地上支援)といった具体的な職種を挙げて議論している。

 

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