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【社会】

セミ・バッタ・蚊 猛暑や大雨で虫少なく?

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 異常気象の夏。最高気温が四〇度を超え、次々と台風が襲来し、猛烈な雨が相次いで観測される中「今年はあまり虫を見ない」「セミの鳴き声が少ない気がする」「蚊に刺されない」といった声をよく聞く。気候が昆虫の生態に影響を与えることがあるのだろうか。専門家に話を聞いてみた。

 「今年は田んぼの手入れをしていても虫が飛ばない」。和歌山市上野の農業湯川充さん(71)が首をかしげた。例年なら田に入るや驚いたバッタが跳ね上がり、それをツバメが飛んできて捕まえる光景が見られるが、今年はないという。

 大阪市立大教授の後藤慎介さん(昆虫生理学)によると、昆虫の多くは変温動物だ。つまり体温調整できず、気温が高いと体温も高くなる。「猛暑が直ちに昆虫の生き死にに関わるかどうかは分からないが、暑いと日陰などに隠れて影響を和らげようとする。(昆虫の姿をあまり見かけないなら)猛暑の影響はゼロではないだろう」と話す。

 京大教授の沼田英治さん(動物行動学)も「どんな動物にも活動に適した温度がある。今年の暑さは範囲の外だった。ただし決して昆虫が死滅したわけではない。暑さが和らげば活動を再開するだろう」とみる。気温が下がる夜に活動している可能性もあるようだ。

 長崎大助教の砂原俊彦さん(衛生動物学)は「蚊が減少したとは確認されていない」と念を押した上で「蚊は暑くなり過ぎると飛ばなくなり、寿命も短くなる。水たまりが発生源になる種なら(干上がったり水温が高くなったりするため)数が減るだろう」と指摘する。

 

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