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【社会】

MOX燃料 公の場で議論なく 政府の情報公開軽視、深刻

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<解説> 電力各社がプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料の再処理に備えた費用計上を中止したのは、核燃料サイクル政策の事実上の軌道修正と言える。政府はエネルギー基本計画で初めて使用済みMOX燃料の「処分」に言及した。ただ、こうした政策転換が審議会など公の場でまともに議論された形跡はない。

 元々、MOX燃料の再処理が実現可能だとの声は政府内にもほとんどない。にもかかわらず政府が旗を降ろさなかったのは、MOX燃料の再処理が核燃料サイクルの存在意義の一つだからだ。使い終わったMOX燃料を廃棄物として処分するのであれば、莫大(ばくだい)な費用をかけ、通常の使用済み燃料をMOX燃料として再利用する計画自体に疑問符が付く。

 実現の見通しが乏しい計画の出口を探ること自体は現実的な判断であり、否定されるものではない。しかし問題なのは、これほど重大な政策転換が国民や関係自治体の目の届かない場所で行われていることだ。

 二〇一五年に再処理費用の在り方を議論した計五回の経済産業省の審議会では、使用済みMOX燃料の扱いに触れることなく、報告書が取りまとめられ、使用済燃料再処理機構の設立を柱とする法改正に進んだ。議論や情報公開を軽視する国の姿勢は深刻だ。 (共同・河村尚志)

 

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