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【社会】

北海道で震度7 1発電所ダウン 全道連鎖停電

地震による土砂崩れで複数の住宅がのみ込まれた現場=6日午前8時32分、北海道厚真町で

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 六日未明に発生した北海道の地震で、気象庁は同日、厚真(あつま)町の震度が7だったと明らかにした。国内で震度7が観測されたのは二〇一六年の熊本地震以来で六回目。関係閣僚会議で、安倍晋三首相は九人が死亡したと述べた。警察庁によると、厚真町で三人、むかわ町と新ひだか町でそれぞれ一人の計五人が死亡し、計四人が心肺停止となった。道内全域の停電のうち一部地域が復旧したが、依然約二百四十六万五千戸が停電。政府によると完全復旧には少なくとも一週間かかる見通しで、市民生活に深刻な影響が出ている。

 北海道は、厚真町で二十八人が安否不明、道内のけが人は三百人以上で、六千人以上が避難したことを明らかにした。建物被害は全壊が二十八棟、半壊が二十棟、一部損壊が一棟だった。地震は直下型で、気象庁は今回の地震を「平成三十年北海道胆振(いぶり)東部地震」と命名した。

 震度6強を観測したむかわ町で亡くなったのは八十代の男性とみられ、たんすの下敷きになっている状態で見つかった。厚真町の三人は七十代の男性といずれも八十代の男女の可能性がある。心肺停止は厚真町三人、札幌市一人。道警や消防、自衛隊などは家屋二十棟以上が土砂崩れで倒壊した厚真町で住民の救助活動を夜通し続けた。防衛省は今後、現場で活動する自衛隊員を現在の約四千九百人から約二万五千人に増強する予定。

 同日午後、停止していた火力発電所のうち、砂川市の砂川発電所が稼働したことから、約四十八万五千戸の停電が解消。札幌市では、地震後に市内の病院でゼロ歳女児の酸素吸入器が止まり、一時重症となった。停電が原因とみられる。

 厚生労働省は、病院三百四十九カ所で停電を確認。うち災害拠点病院は三十四病院で、いずれも自家発電で対応しているという。断水は札幌市など三十五市町村で、断水戸数は約三万戸に上った。

 北海道新幹線は始発から終日運休。道内の鉄道は全ての路線で運転見合わせが続き、JR北海道は新幹線と在来線の七日昼ごろまでの運休を決めた。

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◆全域復旧に1週間以上

 道内ほぼ全ての約二百九十五万戸が停電した。震源地に近い主力の苫東厚真(とまとうあつま)火力発電所(厚真町)が緊急停止したため、道内の電力需給バランスが突然崩れたことが理由だ。

 同発電所は地震発生時、道内の電力の半分を供給。これが止まったことで道内の電力の周波数が乱れた。周波数が乱れると発電設備が壊れかねないため、他の火力発電所は連鎖的に緊急停止。これが全道停電につながった。管内全域が停電したのは初めてで、一九九五年の阪神大震災の約二百六十万戸を超える規模。政府は全域の復旧には、少なくとも一週間はかかるとの見通しを示している。

 今回の停電は、東京都江戸川区と千葉県浦安市を結ぶ高圧送電線に作業船のクレーンが接触したことに端を発した二〇〇六年八月十四日の首都圏の大停電に類似。このときは復旧作業を進める中で供給バランスが崩れ、品川火力発電所が自動停止するなどし、約百三十九万戸が停電した。 (伊藤弘喜)

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