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【社会】

08年千葉の中2 自殺原因、解明できず 第三者委、いじめは認定

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 千葉県館山市で二〇〇八年九月、市立中学二年の田副勝(たぞえしょう)さん=当時(13)=が自殺した問題で、市の第三者委員会(委員長・大野精一星槎大大学院教授)は十日、いじめがあったと認定した上で、自殺を決意した原因の全容は「解明できなかった」とする最終報告書をまとめ、市に提出した。

 この日は勝さんの十回目の命日。勝さんは〇八年九月十日、「もうこの世の中につかれました」と直筆の遺書を書き、自宅で首をつって死亡した。

 市の教育委員会は〇八年、「いじめにつながる事実があった」と指摘したが、自殺との因果関係を否定。父親の義春さん(63)の求めで設置された第三者委は一六年三月の発足後、当時の在校生らに改めて無記名アンケートや聞き取りをしたが、これまでの市教委の調査と同様、自殺との因果関係を解明できなかった。

 第三者委の調査過程では、学校側が自殺直後に実施したアンケートの回答用紙を、後任の校長が廃棄していたことが発覚。市教委は四年後に記名式の再アンケートを実施したが、「臭い、うざい、死ね」と言われていたとの回答を公表しなかった。最終報告書は、市教委や学校の対応を「不適切で、あまりにも慎重さを欠いた」と批判した。

 義春さんは、学校や市教委のこうした対応や、大津市の中二男子いじめ自殺をきっかけに調査組織の設置を盛り込んだ「いじめ防止対策推進法」の制定を受け、第三者委の設置を市長に求めた。だが、自殺から十年たっても、原因は特定されなかった。

 大野委員長は記者会見で「時間がたち、関係者の記憶や資料が少なく、因果関係を確定できなかった」と述べた。義春さんも記者会見し「百パーセントではないが、いじめを認めていただいたことは良かった。息子に報告したい」と話した。

 

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