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【社会】

北海道地震1週間 経済への影響広がる

仕入れた牛乳が午前中で完売し、棚が空になった札幌市内のスーパー=11日午後

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 北海道では、地震直後の大規模停電に加えて長期の節電も求められる見通しで、食品の流通やメーカーの生産、外国人旅行者数の減少など企業活動や経済への影響が広がりつつある。

◆食品

 酪農が盛んな北海道には大手乳業メーカーの三十九工場が集中しており、農林水産省によると三十七工場が一時停止した。十日までにすべて再開したが、肝心の乳牛が地震でストレスを受け、搾乳量が落ちているという。

 このため牛乳の生産量が落ち、雪印メグミルクは出荷を制限。同社広報は「節電の求めもあり、いつ回復できるかは見通せない」と語る。森永乳業も道内の学校給食用を優先している。

 東京都練馬区のスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長は「北海道産の牛乳が入ってこず、それ以外の都府県産も含めて品薄となっている」と話す。日本生活協同組合連合会も、栃木県や長野県といったほかの地域からの調達を増やして「何とか乗り切っている状況だ」(広報担当者)という。イオンは生乳の比率が低い加工乳や乳飲料の仕入れを増やした。

 北海道は野菜や魚介類の産地でもあり、収穫が滞ったり流通網が寸断されたことで全国的な品不足と価格高騰も懸念されている。

新千歳空港で足止めされ、毛布を敷いて読書するフランスからの旅行客。地震により外国人旅行者の客足への影響が懸念されている=8日午後

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◆観光

 地震後、外国人旅行者の予約キャンセルが広がった。日本航空は「欧米からの個人客の予約が前年の七割程度まで減っている」(広報)と懸念する。旅行業界は台風21号で被災した関西の影響も深刻で、旅行会社KNT−CTホールディングスの広報担当者は「むしろ厳しいのは台風被害で空港の復旧が遅れている関西エリアだ」と語る。

 外国人旅行者は消費を支える重要な柱。大手百貨店幹部は「北海道と関西という二大観光地から客足が遠のくと心配だ」と話した。

◆運送

 日本郵便は六日、北海道での配達員が出勤できないとして、北海道向けの荷受けを全国で停止した。ヤマト運輸や佐川急便も同様の対応をした。三社は十二日までに被害の大きい厚真町の一部地域を除いて配達を再開したが「配達に遅れが生じる可能性がある」(ヤマトの広報担当者)。

◆製造

 トヨタ自動車は、変速機などの部品を製造する子会社のトヨタ自動車北海道(苫小牧市)が六日の停電で操業を止めた。同社はグループ全体で生産効率化のため部品在庫を抱えないようにしており、全国の車両組立工場の九割に当たる十六工場も十日に停止。十三日までに全面的に復旧する見込みだが、業績への影響は明らかにしていない。

 節電に向けては、電力を多く使う工程を夜間にシフトするなどして「昼間は二割の節電を達成している」(トヨタ自動車北海道総務部)という。

 

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